世界最大の自動車市場を抱える中国大陸を代表するツーリングカー選手権、CTCCチャイナ・ツーリングカー・チャンピオンシップの2019年シーズン第7戦が、F1開催地でもある上海インターナショナル・サーキットで開催され、11月23日のレース1はぺぺ・オリオラ(フォード・フォーカスCTCC)が、続く24日のレース2はロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ラマンドGTS)が制し、インターナショナル・ワイルドカード枠のふたりが実力を遺憾なく発揮してみせた。
中国を代表する人気選手権のCTCCは、シリーズの盟主として君臨するSAICフォルクスワーゲン333レーシングを筆頭に、2019年シーズンからそろって新型モデルを投入した長安フォードFRDチームや東風キア・レーシングチーム、そして今季からトップカテゴリーに“昇格”参戦を果たした広州トヨタ・レーシングチームなど、多くのマニュファクチャラーが覇を競っている。
全8戦のシリーズはタイトル争いも大詰めを迎え、この週末はともに国際登録ドライバーが活躍。長年、フォルクスワーゲン陣営の“メンター”としてWTCC世界ツーリングカー選手権時代からカレンダーがバッティングしていないラウンドにレギュラー参戦してきたハフと、今季からフォードの助っ人ドライバーとして起用される機会の増えたオリオラが主役を演じることとなった。
土曜のレース1に向けポールポジションを奪ったのは、前戦ラウンド6で勝利を挙げている東風キアのジェイソン・チャン(キアK3 2.0T)で、2番手にも北京汽車集団のBAICセノヴァ・レーシングチーム、デヴィッド・チュー(BAICセノヴァD50)が並び、地元ドライバーが意地のフロントロウを確保する。
7周スプリントで争われた土曜レース1は、オープニングラップからこの2台に後続が襲いかかり、3番手につけていたイー・ホンリー(BAICセノヴァD50)が最終コーナーでチームメイトに仕掛け、幾度ものコンタクトを伴うハードなバトルでオーバーテイク。
するとこのダメージが祟ったか、パスされたチューのBAICセノヴァD50はさらにポジションドロップを喫し、2周目を終えることなくマシンを止めてしまうことに。
続くラップ以降で躍進を見せたのはフォードの2台、レイニー・へとアンディ・ヤンのフォーカスCTCC勢で、5番手まで猛追してきたハフのラマンドGTSから逃げるように首位の2台に迫ると、先を急ごうとしたヤンはチームメイトともども首位のチャンを仕留めようと最終コーナーでオーバーテイクを試みるも、マシンコントロールを誤りフォード同士で接触。レイニー・へとともにスピンして、ポジションを失う最悪の結果となってしまう。