2019年シーズンまでVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーでニッサン・アルティマを走らせてきたケリー・レーシングは、2020年からフォード陣営に加入し、マスタング・スーパーカーを投入する。この決定を受け、チームはレンダリング画像に続き、アンドレ・ハイムガートナー車の2020年仕様カラーリングを公開した。
2013年からニッサン・モータースポーツのファクトリー支援を受け、L33型アルティマで戦ってきたケリー・レーシングは、2018年限りでニッサンがワークス活動を終了したことを受け、カスタマー体制へと移行。2019年はプライベーターとして4台のアルティマを走らせてきた。
しかし戦績は低迷が続き、相対的な戦闘力差拡大に悩まされたチームは、独立系チームでの体制に1シーズンで見切りをつけ、2020年はフォード・パフォーマンスとのアライアンス締結成功により、デビューイヤーを席巻した新型マスタング・スーパーカーを投入することを決断した。
これにより、チームは従来の4台体制から2台体制へと縮小。布陣では、チーム代表トッド・ケリーの弟であり、長年のエースであるリック・ケリーが引き続きリードドライバーを務め、もう1台には2018年からチームに合流したアンドレ・ハイムガートナーの残留を発表している。
残るふたりのうち、ルーキーだったギャリー・ヤコブセンはマット・ストーン・レーシングへの移籍をアナウンスし、2017年から豪州大陸での挑戦を続けていたシングルシーター出身のシモーナ・デ・シルベストロは、女性初のポルシェ契約ドライバーとしてABBフォーミュラE選手権やドイツADAC GTマスターズを戦うことを決め、シリーズを去る。
先日、マシン公開に先んじてリック・ケリー車のレンダリング画像が公開され、長年チームをサポートしてきた石油企業カストロールのカラーリングが発表されていたが、今回は製造を終えたケリー・レーシングのフォード初号機がお披露目され、ハイムガートナー車となる2020年仕様マシンには、メルボルンを本拠地とするNEDウィスキー社がタイトルスポンサーに就任することが明かされた。
「まったく新しい、フォード・パフォーマンス・マスタング・スーパーカーに、NEDウイスキーと複数年のパートナーシップを組み合わせることは、僕のキャリアにとってもエキサイティングで、本当に大きな一歩になるだろうね」と喜びを語ったハイムガートナー。