2019年シーズンのBTCCイギリス・ツーリングカー選手権参戦を電撃表明し、AmDチューニング.comが運営するトレード・プライス・カーズ・レーシングのアウディS3セダンBTCCをドライブした元F1ドライバーのマーク・ブランデルが、わずか1シーズンのツーリングカー経験を最後に、本格的なレーシングドライバーとしてのキャリアに終止符を打つと決断した。
52歳にして自身初のツーリングカー選手権デビューを決めたブランデルは、2019年からシリーズ参入を果たしたトレード・プライス・カーズ・レーシングに合流し、ジェイク・ヒルとともにアウディを走らせてきた。
しかし、若手のヒルがBTCC初優勝をマークしたのとは対照的に、年間わずか2ポイントの獲得に留まったブランデルは、2019年のクリスマス期間を前に「2020年はアウディS3セダンBTCCをドライブすることはないだろう」と語り、30年にも及んだレーシングキャリアからの引退を正式表明した。
3度の表彰台を獲得したF1時代にはマクラーレンや、ティレル、リジェ、ブラバムなどに所属。その後、ブランデルは北米に渡りチャンプカーやCARTシリーズで3勝を挙げるなど、フォーミュラカーで成功を収めてきた。
さらに、シングルシーターのみならず耐久レースでも活躍を演じ、1992年にはプジョー905 Evo1Bでル・マン24時間レース総合優勝を果たすと、2003年にはベントレー・スピード8で2位に入り、ベントレーのワン・ツー・フィニッシュにも貢献している。
そうした輝かしい戦績を残してヘルメットを脱ぐ決断を下したブランデルだが、今後は彼自身が運営するマネジメント組織、MBパートナーズのビジネスに集中するつもりだという。
「いよいよ、私自身ドライバーとしての能力が一定のレベルにないことを明らかにし、レースキャリアからサインオフする時が来たようだ」と話した、現在53歳のブランデル。