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海外レース他 ニュース

投稿日: 2020.02.14 06:44

今季導入のエアロスクリーンを初テストした佐藤琢磨「トップとまだ差があるのは感じている」

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海外レース他 | 今季導入のエアロスクリーンを初テストした佐藤琢磨「トップとまだ差があるのは感じている」

 NTTインディカー・シリーズの合同テストがテキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行われ、インディカーシリーズ参戦11年目となるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨も参加した。

 2019年シーズンは自身初の2勝を挙げ、ポールポジションも2回獲得と好調だった琢磨が、今季はどのようなスタートを切るのか大いに注目された。

 今シーズンからインディカーに導入される保護デバイスのエアロスクリーンだが、琢磨はこのテストで初めて装着したマシンに乗ることになった。

 プロモーションの撮影やメディアデイが前日の10日に行われ、走行は11日と12日の予定だった。10日のメディアデイの後にサーキットでマシンに乗り、シート調整や視界のチェックをした琢磨。

笑顔を浮かべる佐藤琢磨
笑顔を浮かべる佐藤琢磨

「走って見ないとわからないけど。飛行機のコクピットに座ってるみたい。すごく守られている感じはありますね」と感想を語る。

「ただエアロスクリーンを装着して20Kg以上も重くなったと聞いているので、それがマシンにどのような影響を与えるのか、それも確認しないといけない」とも語った。

 さらにコクピットに座る際にはヘルメットにダクトが設けられ、エアが送られるようになった。これはコクピット内の温度が上がると想定されているための措置だ。

ヘルメットに取り付けられたエアダクト
ヘルメットに取り付けられたエアダクト

 装備も含めテストメニューは山ほどあった2日間の走行だが、生憎の天候がそれを妨げた。テスト初日は雨量はさほど多くないものの、気温、路面温度とも上がらずウエットタイヤで各車コースインするものの、インスタレーションラップでも戻ってくるマシンがほとんど。

 ファイアストンタイヤからは、華氏温度で気温と路面温度の合計が100Fにならなければ走らせられないとの警告もあり、午後3時には一時中断からテスト終了となって初日は終わった。この時点で2日目も同様の天気であったら、13日の木曜日の午前中まで延期するというプランも浮上していた。

テスト初日は悪天候に見舞われる
テスト初日は悪天候に見舞われる

 テスト2日目も朝は同様の天候で、テストのスタートが1時間のディレイに。ただ雨は小雨になり天候も回復する予報もあったことから各チームは待機したまま、ランチタイムを省いて終了18時までとアナウンスされた。

 琢磨も一度はレインタイヤを履いてコースに出たが初日同様に1周でピットに。雨が止んだの見計らって、コースに再度出たのは正午近くだった。

「レインでもスクリーンがどのように働くのか確認したくてコースに出ました。雨が直接当たってくることもありませんでしたね」と琢磨。

 路面が乾き始め、レインタイヤからスリックタイヤに履き替えて、各マシンがコースに揃い始めたのは13時近くになってからだった。琢磨はウエットで2分04秒から06秒あたりのタイムで上位にいたが路面が乾くと、他のマシンがタイムを上回っていき、琢磨のカーナンバー30はリーダーボードから消えた。

 比較的順調にポジションを上げたのは、チーム・ペンスキーやアンドレッティ・オートスポート勢、そしてルーキーのアロウ・マクラーレンSPのパトリシオ・オワードなど。また日本のスーパーフォーミュラで活躍していたアレックス・パロウも好ペースを見せた。
 レイホール・レターマン・ラニガンの琢磨とグラハム・レイホールは、トップ10から落ち、浮上したは来なかった。

 チーム・ペンスキー、チップ・ガナッシ、マクラレーンSPなどは、すでにエアロスクリーンを装着し何度かのテストを終えていたが、レイホール・レターマン・ラニガンはこのテストがチームとしても初めての走行で、一歩出遅れた感は否めなかった。

 琢磨のテストは大きなトラブルさえなかったものの、ガレージに戻って再セッティングで時間を費やし、本格的なラップは40周に止まり22番手のタイム、1分48秒6896で終えた。トップタイムのウィル・パワーは1分46秒7603だった。

走行を重ねる佐藤琢磨
走行を重ねる佐藤琢磨

 琢磨は表情を曇らせながら「ちょっと不完全燃焼に終わりましたね。最後は赤旗でタイムを出しにいくタイミングを逃してしまいましたし……。今回はスクリーンが着いて初めてのテストだったので、それに合わせてエンジニアが確認したい事項があって、その実験ばかりやってました(苦笑)」

「それを確認しておかないと次のステップに進めないので、今回はタイムを追ってコースに合わせ込むようなセッティングせず、タイムが出なかった理由はハッキリしているのですが、ウィル(パワー)のタイムはちょっと速いので、まだ差があるのは感じています。やっぱりこの雨が残念でしたね」

「エアロスクリーンは大きな問題はなかったですが、夕方逆光の時は見えづらかった。逆光の時はスクリーンなくても見えないんですけど(笑)。この後はセブリングのテストが1日あって、そこでセントピータースバーグやロングビーチに向けたレースセッティングを徹底的にやることになります。そこから挽回していきたいですね」

 インディカーの開幕戦セント・ピータースバーグまであと1カ月。琢磨はどんな活躍をみせてくれるだろうか。


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