VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの2010年ドライバーズチャンピオンであり、日本のモータースポーツ・シーンでも活躍したジェームス・コートニーが電撃的なチーム離脱を発表。2020年開幕戦アデレード500のわずか1戦を終えた段階で、新規創設のチーム・シドニーを離れることをアナウンスした。
今季から新たな装いでシリーズに参戦するチーム・シドニーは、ゴールドコーストに拠点を構えていたジョナサン・ウェブ率いるテクノ・オートスポーツが、シドニー郊外に拠点を移したことで名称が変更されたされた新組織。新たな船出に伴い、代表のウェブとも同郷のコートニーがWAU(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド)から移籍し、チームをけん引する役割が期待されていた。
またシーズンラウンチの段階ではアジア太平洋地域を担当するコカ・コーラ・アマティル社をメインスポンサーに据えることが発表されていたが、開幕目前でコートニーがブランド大使を務める『Boost Mobile(ブースト・モバイル)』社との大型契約を締結。
これにより、コートニーのホールデン・コモドアZBは新たにWAU時代を思わせるシルバー×ブラックのカラーリングに一新され、コカ・コーラの鮮烈なレッドのカラーリングは、こちらも開幕目前にセカンドドライバー契約を結んだクリス・ピザーの22号車に適用された。
そんななか、2月29日に自身のSNSを通じてコメントを発表したコートニーは、次のように簡潔な言葉を記している。
「チーム・シドニーから離脱することを発表する。これは今すぐに有効になる。我々は今後の道のりについて合意できなかったため、チームを去ることを決断した。チーム・シドニーが今後のシーズンに向け、最善を尽くすことを願っている」
この投稿の末尾でも「今後の計画は白紙で、現時点では何もコメントすることがない」と明かしたコートニーだが、同時に「ブースト・モバイルとの素晴らしい関係は継続され、それは今後の機会を探り続けることを意味する」と結ばれていた。
現在39歳とグリッド上でも最高齢となったコートニーだが、現実的な選択肢としてシーズン後半の500マイル越えイベント3戦に設定される『エンデューロ・カップ』に向け、レギュラードライバーとともに戦う耐久カップ登録の枠を狙うのが有力な選択肢のひとつと考えられている。
しかし、SNSで発表を行った翌日に地元放送局の番組インタビューに応えたコートニーは、ファンからの反応に励まされたと同時に、さらに早期のシリーズ復帰が可能となりそうな見通しを明かした。