WTCR世界ツーリングカー・カップに参戦するLynk&Coシアン・レーシングは、4台体制でのエントリー確定に続き、2020年シーズンに向けたドライバー体制をアナウンス。帝王イバン・ミューラーのチームメイトに、甥のヤン・エルラシェールを起用すると発表した。これにより、ここまで同じ土俵で戦いながらもなかなか実現することのなかった最強の“親族チーム”が誕生する。
2019年に晴れてシアン・レーシングに加入し、偉大なる叔父と同じマシンをドライブしたエルラシェールは、シアン・レーシングLynk&Coのエントリー名で参戦したミューラーとは異なり、セカンドチームのシアン・パフォーマンスLynk&Coからの参戦となり、ボンネットやルーフにイエローのアクセントカラーが施されたマシンのステアリングを握っていた。
しかし、このサテライトチームでも6度の表彰台を獲得するなど充分な実績を残したことで、晴れてトップチームに昇格。この2020年に向けてはWTCC世界ツーリングカー選手権4冠を誇るミューラーと、初のペアリングでシーズンを戦うことが決まった。
「そう、自分にとってだけでなくヤンにとっても、このLynk&Coシアン・レーシングは最適な場所だと言える」と語るのは、ボルボ時代からチームとともに戦ってきた50歳のミューラー。
「スウェーデンのファクトリーから(吉利汽車本社と研究拠点のある)中国のスタッフに至るまで、その全員がふたたび世界タイトル獲得のために戦うという究極の目標を推進する意欲を持っている」
「昨年は車両開発テストを始めてからわずか12カ月たらずでレースでの勝利を挙げるなど、関係者全員の努力が証明された素晴らしい1年になった。この2020年はその努力をさらに推進し、もう一段上のレベルに達する必要がある。皆と同様、私自身も間違いなくその準備ができているよ」
一方、叔父と同様にアイスレースの世界でも活躍を演じるエルラシェールも、2020年は叔父とガレージをシェアし、その傍らでWTCRのシーズンに挑む日を「心待ちにしている」と語った。