自動車レースファンであればその名前こそ知っているものの、実際に現地を訪れる日本人はドライバーや関係者だけというサーキットは少なくない。今回は筆者が取材で足を運んだ中から、「一度は行ってみたい魅力的な“B級”サーキット10選」をお届けする。今回はその前編。
■サーキット・パーク・ザントフールト(オランダ)
今季35年ぶりにF1オランダGPの舞台として復活するはずだったザントフールト。それまではDTMドイツ・ツーリングカー選手権の一開催地というくらいで、世界選手権水準のレース開催はご無沙汰だった。
アムステルダム中央駅や交通の要衝アムステルダム・スローテルダイク駅から電車で一本とアクセスの良さが光る。最寄り駅で終着駅のザントフールト海岸駅からは、美しい浜辺を遠回りしても徒歩で約30分。
アムステルダム市内は名所旧跡が多く、日本人が腕を振るう日本料理屋も少なくないので、海外レース観戦初心者にはうってつけだ。
■ドニントン・パーク・サーキット(イギリス)
1993年にF1ヨーロッパGPの舞台となった。東隣にはイースト・ミッドランズ空港があるものの、イギリス国外からの訪問は難しい。
また、このサーキットで唯一の“売り”でもあった博物館“ドニントン・グランプリ・コレクション”は2018年11月に閉鎖。展示物が所有者へ返却されるようになってからは、さらに自動車レースファンの足が遠のく結果となってしまった。
近隣にはダービーやノッティンガムといった中規模の街があるとはいえ、多くのファンや関係者を受け入れるには心もとない。物好きな自動車レースファンにだけお勧めしたい。
■バーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン)
2004年よりF1世界選手権のカレンダーに載り始めた(バーレーン騒乱のあった11年を除く)。そもそも、「中東のどこ?」というくらいの個人的な認識で、島国とはっきり知ったのはF1開催地になってから。
首都マナーマは高層ビルあり、ショッピング・モールあり、リゾート・ホテルありと都会の印象だが、市内からクルマで30分ほど離れたサーキット周辺は荒涼とした土地が広がるだけ。
同じ中東のF1であれば、周辺にホテルやショッピング・モールやアクセスしやすさからいっても、ヤス・マリーナ・サーキット(UAE)に軍配が上がる。