WTCR世界ツーリングカー・カップのeスポーツシリーズ『pre-season Esports WTCR』第3戦は中国の寧波国際スピードパークを舞台に開催され、ドイツ出身のWilliams Esports所属モリッツ・レーナー(セアト・クプラTCR)が初優勝。レース2もM1RA Esports teamのゲルゲ・バルディ(ヒュンダイi30 N TCR)が開幕3連勝を決め、プロゲーマー勢が連勝を飾っている。
5月4日(月)に開催された『pre-season Esports WTCR』第3戦決勝は、ここまで2戦の展開同様にヴァーチャル空間で百戦錬磨の習熟度を誇るプロゲーマー勢が、WTCRのレギュラー勢を向こうに回し「リアルドライバーを完全に打ち負かす」展開となった。
WTCR開幕延長の余暇を埋めるべく、全4戦のスケジュールで実施されるeスポーツ選手権もすでに3戦目を迎えたが、依然としてRaceRoomのプラットフォームを利用したこの中国のトラックでも予選からSimレーサー勢が速さを見せ、チームメイトのクバ・ブレジンスキー(Lynk&Co 03 TCR)を0.025秒抑えたレーナーがポールポジションを獲得した。
レース1はその予選結果を反映した展開となり、序盤からフロントロウの2台が激しいツバ競り合いを演じ、3番手のRed Bull Racing Esports、ベンツェ・バーンキ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)を加えた三つ巴の攻防が続くと、その勝負はファイナルラップへとなだれ込む。
バーンキからのプレッシャーに耐え続けた2番手のレーナーは、左コーナーのアウトサイドから首位ブレジンスキーに並びかけ、続くヘアピンのインを突いて豪快にオーバーテイク。スリリングな勝負を制して首位に躍り出た。
Lynk&Coのマシンをドライブするブレジンスキーも最後の最後まで諦めず抵抗を見せたが、ポジションを取り戻すには至らず。左ヘアピンでワイドランを喫したことで雌雄は決し、レーナーが劇的な逆転で『pre-season Esports WTCR』初優勝をマーク。2位に同じくWilliams Esportsのブレジンスキー、前戦勝者のバーンキが3位に続くリザルトとなった。
一方、このレース1に向けた予選で自己最高の5番手に着けていたALL-INKL.COM Münnich Motorsportのエステバン・グエリエリ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)だが、レース中のブレーキングミスでコースオフを喫し、一時は10番手にまでポジションを落としてしまう。
しかし終盤に遅れを挽回する力走を見せ、最終的に8位でチェッカー。リバースグリッドのレース2に向け、スペイン出身のネストール・ガルシア(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR/Red Bull Racing Esports)と、アルゼンチン人のファン-マニュエル・ゴメス(アウディRS3 LMS/Fast lap Esports)に次ぐセカンドロウからスタートする好機を手にした。