BTCCイギリス・ツーリングカー選手権を運営するTOCAは、2022年からの本格導入を予定する共通ハイブリッド・システムの開発に際して、同シリーズ経験者であり世界的な耐久スポーツカー・シーンで活躍してきたダレン・ターナーを、公式デベロップメント・ドライバーに指名すると発表した。
TOCAが実施した競争入札で『共通ハイブリッド供給権』を獲得したコスワース・エレクトロニクスだが、同社による開発作業が続いている“P2 off-axis”と呼ばれるこの新システムは、こちらも先ごろ“TOCA共通エンジン”の供給権を獲得したM-Sportの新エンジンに先んじて、今夏からの実走テストが予定されている。
そのシステム開発を担うドライバーとして白羽の矢が立ったのは、現在46歳の元BTCCドライバーでもあるターナーで、コスワースに指名されたテストベッド車両のTOYOTA GAZOO Racing UK with Ginsters(ギンスターズ)が走らせる『トヨタ・カローラBTCC』をドライブし、新たに開発作業に従事することとなった。
ターナー自身は2006年から2008年にかけてセアト・レオンでシリーズに参戦した経験を持ち、その後は長きにわたってアストンマーティンのファクトリー契約ドライバーとして活躍。ル・マン24時間では3度のクラス優勝を記録すると同時に、地元イギリスではシミュレーター開発の第一人者としての顔も持っている。
そうしたノウハウを買われたターナーは、来月のスネッタートンで実施されるグッドイヤーの公式タイヤテストに合流し、初めてカローラBTCCのステアリングを握ると同時に、実装されたシステムのシェイクダウンを担当する。
「これは本当に興味深いプロジェクトだ。BTCCに参戦していた時代は本当に楽しんでいたけれど、今回はツーリングカーにカムバックして少し違う挑戦をする素晴らしい機会に恵まれた」と、開発ドライバー就任の抱負を述べたターナー。
「レースカーに関して、これまでのキャリアでは残念ながらハイブリッドを搭載したマシンをドライブする機会はなかったんだ。僕はこうしたフレッシュな機会を待ち望んでいたし、今後チームや開発メンバーと直接会い、目的がどこにあるかを明確にしたいと考えている。なぜなら、今回はマシンから極限のパフォーマンスを引き出すのが狙いではないからね」と続けるターナー。