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海外レース他 ニュース

投稿日: 2020.07.10 17:12

BTCC:TOCA共通ハイブリッドが歴史的トラックデビュー「この偉業を誇りに思う」

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海外レース他 | BTCC:TOCA共通ハイブリッドが歴史的トラックデビュー「この偉業を誇りに思う」

 BTCCイギリス・ツーリングカー選手権で2022年の本格導入に向け開発が進められているTOCA共通ハイブリッド機構が、7月7~8日にイギリス・スネッタートンで開催された公式タイヤテストでシェイクダウンを実施。システム開発を担当したコスワース・エレクトロニクス社は「この歴史的偉業と成果を、心から誇りに思う」と、その成果と手応えを語っている。

 TOCAが実施した競争入札により、2022年度シーズンからの『共通ハイブリッド供給権』を獲得したコスワース・エレクトロニクスは、設計と製造に続き台上試験を終えた“P2 off-axis”と呼ばれるこの新システムを、テストベッド車両に指名したTOYOTA GAZOO Racing UK with Ginsters(ギンスターズ)の『トヨタ・カローラBTCC』に搭載した。

 その開発作業と並行して、初の実走に向けては世界的な耐久スポーツカー・シーンで活躍するAMR(アストンマーティン・レーシング)所属のダレン・ターナーを公式デベロップメント・ドライバーに起用するなど、着々と準備を進めてきた。

 この“P2 off-axis”はシステム定格60Vで20kgの重量となるバッテリーパックを搭載し、7.5kgの電気モーターとコントローラー、ポンプ、冷却パイプ、配線ケーブル類などを含めシステム総重量を64kgに抑えたもので「NGTC規定ツーリングカーの運動性能にはほぼ影響を及ぼさない」範囲に納められたという。

 今季からシリーズの公式タイヤサプライヤーに就任したグッドイヤーの性能と感触を試す2日間のタイヤテストに合流し、BTCC史上初のハイブリッド車両としてコースインした『トヨタ・カローラBTCCハイブリッド』は、BTCCレギュラー車両と混走してのテスト走行を開始。

 火曜と水曜の公式セッション2日間は46歳の元BTCC経験者ターナーがステアリングを握り、木曜に設定されたハイブリッド占有の単独セッションでは、2020年の参戦休止を表明したばかりの2013年王者アンドリュー・ジョーダンの招聘が予定されていた。

 しかしトランスポンダ未搭載で計時を行わない状態で走行を重ねた2日間で、計画されたすべてのシステムチェックと試験を順調に完了したことから、コスワースは木曜のスケジュールをキャンセルすることを決めている。

「我々コスワースとすべての技術パートナーは、とくにこの困難な時期にこの開発水準に到達するべく、ここまで懸命な努力を重ねてきた。だからこそ、今日この日のマイルストーンは本当に誇らしい瞬間になった」と語るのは、コスワース・エレクトロニクスの技術サポート部門責任者を務めるニール・ベイトマン。

“P2 off-axis”と呼ばれる新システムのテストベッドに指名されたTOYOTA GAZOO Racing UK with Ginsters(ギンスターズ)の『トヨタ・カローラBTCC』
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20kgの重量となるバッテリーパックやコントローラー類は、サイドシートの床面に搭載された
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スウィンドン・レースエンジンズ社製のTOCA共通エンジンを搭載。こちらも将来的にM-SPORT製に切り替わる
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