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海外レース他 ニュース

投稿日: 2020.07.19 17:18

インディカー第6戦アイオワ詳報:ニューガーデンが1年ぶりの完勝。琢磨は失速

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海外レース他 | インディカー第6戦アイオワ詳報:ニューガーデンが1年ぶりの完勝。琢磨は失速

 19日、NTTインディカー・シリーズ第6戦が前日に引き続きアイオワ・スピードウェイで行われ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がポール・トゥ・ウインで今季初勝利を飾った。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、レース中ペースが上がらず3周遅れの21位でチェッカーを受けた。

 毎年暑さの中での戦いになるアイオワ・スピードウェイでのレースだが、今年はダブルヘッダーの2レース両方ともが曇が多めのコンディションで行われ、風も吹いていて夕方から夜のレース観戦は快適だった。

 もちろん、スタート時が摂氏30度、ゴール時でも28度もあり、エアロスクリーンを装着したマシンで戦うインディカードライバーたちにとってはフィジカル的に非常にタフだった。それも、2晩連続で250周のバトル。今晩の2レース目はより過酷だったはずだ。

第6戦アイオワスタート
第6戦アイオワスタート

 第5戦となるレース1では最後尾グリッドからシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が優勝したが、今日はポールシッターだったジョセフ・ニューガーデンがウイナーとなった。ニューガーデンはこのコースで過去に2勝している。1勝目はまだペンスキー入りする前だった。

 今日の彼は終始安定して速く、トラフィックの処理にもライバル勢をしのぐキレがあった。250ラップの214周をリードし、2位のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)に2秒7869の差をつけてゴールした。

「勝てて最高だ。どうしたら不運から解き放たれるのかを考え続けていた。今日がスタートとなって、今後は不運が降りかかってこないことと期待したい。昨日は残念なレースだった。タイミングが合わなかった」

「マシンには勝てる力があったと思うが、それが好結果に繋がらなかった。今日は必ず良い成績を残そうと気合が入っていた。クルーも同じだった。そして、今晩の僕は思い切りハードに攻める走りを続けた。シボレーで闘えていることを誇りに思う。今日の僕らは強かった。燃費も信頼性もパワーもあった」とニューガーデンは喜んだ。チームもシボレーエンジンも4連敗の後に2連勝を記録した。

レースをリードするジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)
レースをリードするジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)

 パワーは今年もアップアンドダウンの激しいシーズンを送っている。開幕戦テキサスが予選6番手から決勝2位。インディアナポリスのロードコースがポールポジションから20位。ロードアメリカのレース1が5番手から2位で、レース2は8番手から11位。今週のアイオワが3番手から21位と2番手から2位というのが今年の彼の6レースだ。

 ランキングでは5番手につけているが、トップのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)との差は102点もある。

 3位はグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。予選19番手からの表彰台は、彼にとって今シーズン2回目のポディウムフィニッシュとなり、チーム・ペンスキーとシボレーのトップ3独占を阻んだ。

 ロードアメリカでのダブルヘッダーは、優勝も視野に入っていたレース1でピットクルーがミス。2レース目はパワーがスタート直後に乱暴なドライビングを行い、その犠牲者となって0周リタイアだっただけに、アイオワでの2レース目を終えた彼は、喜びと安堵の両方を感じていた。

「今年はフラストレーションのたまるシーズン序盤になっていた。本当なら、もっとランキング上位にいたはずなんだ。今日もマシンは最高だった。ペンスキーの3人と闘えていたんだから、いいレースができていたということだ」

「このコースはインディカーがレースをするのに向いている。激しいバトルが延々繰り広げられる。今日の僕は本当にバトルを楽しむことができた」と彼は語った。

第6戦アイオワ表彰台
第6戦アイオワ表彰台

 パジェノーが最後尾スタートから二晩連続のチャージを見せて4位フィニッシュ。しかし、ポイントランキング2位の彼が奮闘しても、ポイントトップのディクソンが彼とひとつしかポジションの違わない5位でフィニッシュした。彼も18番手スタートからのトップ5入りを果たしたのだった。

 アイオワを終えてディクソンの獲得ポイントは244点。パジェノーは49点差の195点で、ニューガーデンが191点で3番手につけている。コルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー・オートスポート)は開幕4レースの安定感をアイオワのダブルヘッダーでは見せられず、ポイントスタンディングは7番手まで後退している。

 昨日キャリア初の表彰台フィニッシュを果たしたルーキーのオリバー・アスキュー(アロウ・マクラーレンSP)が今日も見事な走りで6位フィニッシュ。ジャック・ハーベイ(メイヤー・シャンク・レーシング)は初めて走るアイオワだったが、二晩続けて上位で戦い、2連続の7位フィニッシュという良好なパフォーマンスを見せた。

陽が沈む中、走行を重ねる佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
陽が沈む中、走行を重ねる佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は20番手スタートから、昨日に続いて早めに1回目のピットストップを行う作戦に出た。

 そのスティントの最初はフレッシュタイヤで素晴らしいスピードを見せていたが、タイヤの摩耗が進んでから急激に失速。その後もぴっとでセッティング変更を行ったが、ハンドリングが苦しいレースが続いた。

 前半にピットを重ねて周回遅れに陥り、その不利を最後まで跳ね返すことのできない、厳しいレースとなった。今日の結果は21位。5連続トップ10フィニッシュはならなかった。

「セカンドスティントから突然ハンドリングが悪くなって、早めに2回目のピットストップをしてセッティング変更。その後も変更を続けたけれど、マシンは良くならなかった。どこかが壊れている、何かがおかしくなってしまっているとしか考えられない」と状況を語った。

 次戦はミド・オハイオ。2週末のインターバルを置いて、今度は常設ロードコースでの戦いとなる。


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