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海外レース他 ニュース

投稿日: 2020.08.15 22:00
更新日: 2020.08.16 06:57

「来年以降はインディ500の挑戦は難しい」と語るアロンソ。3度目のインディ500も厳しい船出

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海外レース他 | 「来年以降はインディ500の挑戦は難しい」と語るアロンソ。3度目のインディ500も厳しい船出

 F1モナコGP、ル・マン24時間、そしてインディ500の世界三大レース制覇“トリプルクラウン”を狙うフェルナンド・アロンソのインディ500挑戦は今年で3度目を迎えた。

 昨年はプラクティスでのクラッシュが尾を引いて、自身でも経験したことのない予選落ちの屈辱を味わい、インディ500の難しさを痛感した。

 3度目ののインディ500挑戦には、いろいろな事前情報が飛び交った。だが最終的にアロンソはマクラーレンとのジョイントを継続し、シュミット・ピーターソンのシートに収まる。シュミットは今年からチーム名もアロウ・マクラーレンSPと名称変更し、パトリシオ・オワードとオリバー・アスキューという若いルーキーを起用しているが、序盤戦から好調だ。

 さらに今年のコロナ禍は欧米間の渡航を難しくしており、現在でも特別な理由がなければ渡航は許されていない。アロンソ、そしてインディカー・シリーズに出場しているアレックス・パロウは特例でアメリカの入国を許されている。

 またアロンソはすでに2021年からルノーF1への復帰を発表しており、来年以降のインディ500挑戦の是非に注目が集まったが、インディアナポリスに来てから行われたリモートインタビューで、「来年以降はインディ500の挑戦は難しいと思う」とコメントしており、今年のインディ500挑戦でひとつの区切りを付けることになるだろう。

インディカー・マシンに乗り込むフェルナンド・アロンソ
インディカー・マシンに乗り込むフェルナンド・アロンソ

 今年のアロンソのカーナンバー66のマシンは白と紺を基調としたカラーリング。アロンソのレーシングスーツも深い紺になっている。

 プラクティス初日はインディ500のルーキーとリフレッシャー(久々にインディ500、インディカーシリーズに挑戦するドライバー)のオリエンテーションプログラムがあり、アロンソはその中でもすぐに1周平均220マイル台に入ってクリアした。

 その日の好調は続き、ペースも上がって223.238mphまでスピードが上がり、29周のみの走行ながら5番手のタイムをマークしていた。昨年の悪夢を吹き飛ばすような初日の出だしである。

 プラクティス2日目はより積極的にコースに出て周回を重ねるアロンソ。例年よりプラクティスが短くなっている今年は、効率よくマシンを仕上げる必要があり、レース用のセットアップに専念する2日目は、パック(集団)状態での走行を多くする。

 アロンソもチームメイトのオワード、アスキューらと一緒にコースに出たり、他の集団の中に入り、アンドレッティ、ペンスキー、チップ・ガナッシ勢と走ったり、もちろん佐藤琢磨と周回する時間もあった。

走行を重ねるフェルナンド・アロンソ
走行を重ねるフェルナンド・アロンソ

 そして残り時間もあと1時間になろうとする頃だった。

 アロンソはパックの中で走っていたが、ターン4のエイペックス付近でバランスを崩すとそのままアウト側にはらんで行き、アウト側のウォールにヒット! マシンはスピンしながらピットレーンに入って止まった。幸いアロンソ自身には怪我はなかったが、この日の走行はここまでとなった。

 アロンソは「またやってしまった。このレーストラックはコントロールを失うと、すぐに壁が迫ってくる。もうミスは出来ないね」と反省しきりだ。

 ダメージも少なかったことから、アロンソはプラクティス3日目もセッション開始から登場。

 ファストフライデイと呼ばれる金曜日は、予選を想定しての単独走が主で、アロンソもニュータイヤを履いて予選シミュレーションを何度も行った。

 走ってはピットに戻り修正をする繰り返しだったが、この日は52周を走って229.788mphまでスピードを上げた。トップのマルコ・アンドレッティが233mph台に突入していることを考えると、18番手のこのタイムは磐石とは言えないかもしれないが、昨年はクラッシュ後にモノコックを変える大修理だったことを思えば、戦列には復帰できたと言えるだろう。

 今年のエントリーは33台ちょうどで、予選の4周を走りきれば、予選落ちをすることはない。昨年のような悪夢がアロンソに降りかかることはないだろう。

 2017年、インディ500に初挑戦した時は予選5番手で決勝も一時トップを走るなど、すべてがうまく運び過ぎていた。さらに昨年の予選落ちの苦難を経験し、アロンソはインディ500の喜びと苦しみの両方を味わっている。

 アロンソの挑戦のおかげでインディ500というレースの伝統の重みは、さらに際立ったと言えるかもしれない。今年のレース結果が彼のレースキャリアにどれだけ華を添えるかわからないが、このコロナ禍の中でもあえてアロンソが挑戦した証は、ブリックヤードにしっかり刻まれるだろう。

 アロンソの予選アテンプト順は13番手。まずはここから注目だ。

3度目のインディ500はどんな結末が待っているのか?
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