8月30日(日)、2020年FIA-F2第7戦ベルギーのスプリントレース(決勝レース2)が開催され、ロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)が優勝。日本の角田裕毅(カーリン)は9位フィニッシュ、佐藤万璃音(トライデント)はリタイア、松下信治(MPモータースポーツ)はレース1でのマシン修復が間に合わず出走しなかった。
コンディションは、気温13度、路面温度18.7度。空は薄雲り、路面はドライコンディションだ。規定周回数は18周、タイヤ交換の義務はない。
スターティンググリッドは前日のリザルトが反映されるリバースグリッド制により、ポールはロイ・ニッサニー(トライデント)、2番手に周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)、3番手にダニエル・ティクトゥム(ダムス)、4番手にロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)の順となった。
フィーチャーレース優勝の角田は8番手、佐藤は14番手から、昨日のレース1でクラッシュを喫した松下はマシンのダメージが深刻で修復が間に合わず、出走しないこととなった。
日本時間の18時10分、フォーメーションラップがスタートとなったが、ユーリ・ビップス(ダムス)が動き出せずピットレーンスタートとなった。
ホールショットを奪ったのはティクトゥムだが、ニッサニーはケメルストレートエンドで首位を奪還。後方ではカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)が急減速し、追走していた角田がブレーキングするも間に合わず追突、12番手までドロップしてしまう。
またアイロットはスピンしマシンをコース上に止めてしまい、セーフティカー(SC)が早々に導入されることとなった。
レースは4周目からニッサニー、ティクトゥム、シュワルツマン、デレトラズの順にリスタートするが、ふたたび波乱が待ち受けていた。
ケメルストレートエンドでニッサニーを抜きかけたティクトゥムは曲がりきれずにコースオフ。グラベルの段差でマシンがバウンドしレコードラインを走行していたニッサニーの左リヤにティクトゥムが右フロントから接触する。
接触の衝撃でニッサニーのリヤが宙を浮き、リヤからタイヤバリアにぶつかりマシンは大破。ニッサニーは自力でマシンを降りたが怒りの無線とともに無念のリタイア。そして半周待たずにSCが導入されてしまった。
レースは7周目にシュワルツマンを先頭にティクトゥム、デレトラズ、周の順に再開。シュワルツマンは他車よりも2秒速い2分1秒台前半のペースで独走状態を築き9周目には2番手と5.498秒差をつけた。
またレース1で3位を獲得し安定した成績を残している5番手シューマッハーが2台を抜き去り3番手に浮上。前を行くティクトゥムの0.6秒後方に迫りながら周回を重ねていく。
11周目、マーカス・アームストロング(ARTグランプリ)がコースオフし再始動できずレースを終えてしまった。
ペースに勝るシューマッハーは12周目のケメルストレートでティクトゥムをあっさりと交わし2番手へ。13周目には周も前に出て3番手に浮上。フェラーリ育成ドライバーふたりをルノー育成ドライバーが追う展開で終盤戦に突入する。
全体的に接触やスピン、コースオフが目立つ荒れたレース展開は残り4周となった15周目にも続く。最終コーナー手前でユアン・ダルバラ(カーリン)が佐藤万璃音(トライデント)に追突。佐藤はスピンしマシンをストップ。ここでレースを終えることとなった。
また佐藤のマシンを排除するためにVSC(バーチャル ・セーフティ・カー)が16周目の途中まで導入される。
このまま上位3台に順位変動はなく、シュワルツマンが第3戦ハンガリーレース1以来の優勝でシーズン3勝目。シュワルツマンは、パルクフェルメでマシンからアントワーヌ・ユベールを想い天に向けて両手を掲げた。2位には今シーズン6度目の表彰台となったシューマッハー、3位の周は第6戦スペインレース1以来の表彰台となった。
序盤のアイロットとの接触による5秒加算ペナルティを受けた角田は9位でフィニッシュしている。
ポイントランキングは首位が優勝した132ポイントのシュワルツマン、2番手に122ポイントのアイロット、3番手に111ポイントの角田、4番手に106ポイントのシューマッハーがつけている。
次戦は9月4〜6日、イタリアのモンツァで開催される。
■FIA-F2第7戦ベルギー スプリントレース(レース2) 暫定リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | R.シュワルツマン | プレマ・レーシング | 18Laps |
2 | 20 | M.シューマッハー | プレマ・レーシング | 9.025 |
3 | 3 | 周冠宇 | ユニ・ヴィルトゥオーシ | 11.193 |
4 | 24 | N.マゼピン | ハイテックGP | 20.945 |
5 | 25 | L.ギオット | ハイテックGP | 21.907 |
6 | 11 | L.デレトラズ | チャロウズ・レーシング・システム | 25.182 |
7 | 6 | C.ルンガー | ARTグランプリ | 26.796 |
8 | 16 | A.マルケロフ | BWT HWAレースラボ | 30.492 |
9 | 7 | 角田裕毅 | カーリン | 30.559 |
10 | 2 | D.ティクトゥム | ダムス | 32.126 |
11 | 1 | J.ビップス | ダムス | 32.331 |
12 | 12 | P.ピケ | チャロウズ・レーシング・システム | 32.832 |
13 | 15 | F.ドルゴヴィッチ | MPモータースポーツ | 33.041 |
14 | 17 | G.アレジ | BWT HWAレースラボ | 33.448 |
15 | 10 | G.サマイア | カンポス・レーシング | 34.729 |
16 | 8 | J.ダルバラ | カーリン | 44.078 |
17 | 9 | J.エイトケン | カンポス・レーシング | 1’16.304 |
18 | 23 | 佐藤万璃音 | トライデント | DNF |
19 | 5 | M.アームストロング | ARTグランプリ | DNF |
20 | 22 | R.ニッサニー | トライデント | DNF |
— | 4 | C.アイロット | ユニ・ヴィルトゥオーシ | DNS |