スイスに本拠地を構えるVuković Motorsport(ブコビッチ・モータースポーツ)は、2020年のWTCR世界ツーリングカー・カップにシングルカー体制で参戦し、自社開発のルノー・メガーヌR.S.TCRを念願の世界戦に投入することを決定。イギリス出身の若手ジャック・ヤングを起用するとアナウンスした。同時に、9月12~13日の週末にベルギー・ゾルダーで開幕する2020年シーズンのフルエントリーリストも公開され、全20台の登録が確認された。
ルノー・クリオUKチャンピオンのヤングは、若干18歳で2019年のTCRヨーロッパ・シリーズにデビュー。ブコビッチ・モータースポーツがルノースポールの支援を得て開発を続けてきたルノー・メガーヌR.S.TCRをドライブし、スペイン・バルセロナ戦で4位フィニッシュという好成績を残した。
チームにとっても、ヤングにとっても念願の世界戦昇格は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症パンデミックの影響により、2020年のWTCRカレンダーが欧州域内限定とされたことに加え、シーズンエントリー申請の期限や方法が見直され、1台体制での参戦が許可されたことが後押しとなった。
「我々はこのTCRプログラム初期から、WTCRへの参戦を目標としてきた」と語るのは、ブコビッチ・モータースポーツ代表を務めるミレンコ・ブコビッチ。
「パンデミックによりヨーロッパ限定でレース開催数も減少した今季こそ、我々のような規模のチームがWTCRにチャレンジするベストな機会だと感じたんだ。参戦するからには、一貫して良いリザルトを残すことが重要だ」と続けたブコビッチ代表。
「WTCRでのコンペティションが非常に激しいことはわかっているが、チーム全体が競争力を維持するため非常に懸命に取り組んできた。我々の手でWTCRにルノー・ブランドを初登場させられることは光栄だし、その戦いをとても楽しみにしている」
「ジャックは昨年、我々のマシンが一線級で戦えることを証明すると同時に、彼自身もヨーロッパを代表するツーリングカー選手権のフロントランナーになれることを示した。それ以来、彼は我々の公式ドライバーであり、現在の仕様であるルノー・メガーヌR.S.TCRのすべての開発テストを担当してきた」
ヤング自身はこの2020年に向けて、引き続きTCRヨーロッパ・シリーズでのプログラム拡大。つまりはフル参戦に向けた準備を進めてきたというが、その代替プランとしてグリッド上の最年少ドライバーとしてWTCRに昇格するチャンスが巡ってきたことに「ワクワクしている」と喜びを語った。