9月6日(日)、2020年FIA-F2第8戦イタリアのスプリントレース(決勝レース2)がモンツァで開催され、ダニエル・ティクトゥム(ダムス)が優勝。日本の松下信治(MPモータースポーツ)は12位、佐藤万璃音(トライデント)は14位、角田裕毅(カーリン)は6周遅れのフィニッシュでリタイア扱いとなった。
追記:
レース後の車検で、規定ではマシンから燃料が0.8kg採取される必要があり、ティクトゥムのマシンから採取されたサンプルは0.05kgだっため、技術規定違反に該当し失格処分となった。これにより2位フィニッシュしていたカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)が繰り上げで優勝となった。
陽炎立ち上がるモンツァは気温30.3度、路面温度38.7度でドライコンディション。規定周回数は21周、タイヤ交換の義務はない。
スターティンググリッドは前日のリザルトが反映されるリバースグリッド制により、ポールはルイ・デレトラズ(チャロウズ・レーシング・システム)、2番手にティクトゥム、3番手にアイロット、4番手に周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)。
角田は5番手、松下は15番手、佐藤は20番手からのスタート。ランキングリーダーのロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)は9番グリッドにつけた。
そして日本時間の18時10分にフォーメーションラップが開始され、レース2がスタート。ティクトゥムが好スタートを見せトップに立ち、後方では角田も順位を一つ上げ4番手で1周目を完了。またアーテム・マルケロフ(BWT HWAレースラボ)が動き出せず順位を大きく下げた。
各所でバトルが展開されるなか、1周目で6番手まで浮上したレース1勝者のミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)は2周目にクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)を捉え5番手に浮上する。
上位勢が3周目に突入しようとした矢先、角田が突如スローダウン。マシントラブルのようで、なんとかマシンをピットに運んだが、ポイント獲得のチャンスが潰えてしまった。
レースが中盤に差し掛かろうとする7周目、3番手アイロットは0.548秒後方に4番手シューマッハー、さらに0.384秒差で5番手の周を従え、3台が接近戦を展開する。
8周目にはトウ(スリップストリーム)を使った周がシューマッハーに仕掛ける。シューマッハーは応戦するも1コーナー進入のブレーキングでタイヤスモークを上げオーバーラン。周は4番手に浮上した。
ところが周は3コーナーを通過した直後にマシンがスローダウン。角田同様にマシントラブルで勝負権を失い、またFIA-F2マシンの信頼性問題が再燃してしまった。
上位勢に変動が起きたのは残り10周となった12周目、アイロットがホームストレートでトウを使いデレトラズをパス。2番手にポジションを上げ、3.550秒先の首位ティクトゥムを追撃。14周目には4番手ルンガーもデレトラズを抜き去り表彰台圏内に入る。
17周目、フェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)が1コーナーで追突されスピン。コース上に止まってしまったため、マシン回収のためVSC(バーチャル・セーフティ・カー)が18周目途中まで導入された。
VSC解除がラストアタックのゴングとなり、残り3周となった19周目に2番手アイロット、ルンガー、デレトラズ、シューマッハーが0.5秒間隔で走行。
マシンの振動が目立つシューマッハーだが、20周目の1コーナーでデレトラズを抜き4番手へ浮上する。
ティクトゥムは終始安定した走りでトップチェッカー。2位にはアイロット、ルンガーはレース1に引き続き連続で3位を獲得した。
日本勢は松下が12位、佐藤は14位、トラブルを修復後にはファステストラップも記録していた角田は6周遅れでのフィニッシュとなった。
追記:
上述の通りレース後の車検でティクトゥムが失格となったためアイロットが繰り上げで優勝となり、ルンガーは2位、シューマッハーが3位となった。
ポイントランキングは首位に149点のアイロット、2番手に143点のシューマッハー、3番手は140点のシュワルツマン、4番手に123点の角田がつけている。
次戦は9月11〜13日、イタリアのムジェロで開催される。
■FIA-F2第8戦イタリア スプリントレース(レース2) 暫定リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 4 | C.アイロット | ユニ・ヴィルトゥオーシ | 4.663 |
2 | 6 | C.ルンガー | ARTグランプリ | 5.299 |
3 | 20 | M.シューマッハー | プレマ・レーシング | 6.615 |
4 | 11 | L.デレトラズ | チャロウズ・レーシング・システム | 7.072 |
5 | 21 | R.シュワルツマン | プレマ・レーシング | 7.338 |
6 | 8 | J.ダルバラ | カーリン | 10.989 |
7 | 9 | J.エイトケン | カンポス・レーシング | 16.962 |
8 | 24 | N.マゼピン | ハイテックGP | 18.782 |
9 | 1 | J.ビップス | ダムス | 19.685 |
10 | 22 | R.ニッサニー | トライデント | 30.844 |
11 | 14 | 松下信治 | MPモータースポーツ | 31.08 |
12 | 17 | G.アレジ | BWT HWAレースラボ | 32.331 |
13 | 23 | 佐藤万璃音 | トライデント | 33.113 |
14 | 10 | G.サマイア | カンポス・レーシング | 41.766 |
15 | 25 | L.ギオット | ハイテックGP | 1’00.054 |
16 | 16 | A.マルケロフ | BWT HWAレースラボ | 1Lap |
17 | 12 | P.ピケ | チャロウズ・レーシング・システム | 1Lap |
18 | 5 | M.アームストロング | ARTグランプリ | 1Lap |
— | 15 | F.ドルゴヴィッチ | MPモータースポーツ | DNF |
— | 7 | 角田裕毅 | カーリン | DNF |
— | 3 | 周冠宇 | ユニ・ヴィルトゥオーシ | DNF |
— | 2 | D.ティクトゥム | ダムス | Dis Qualified |