いよいよ開幕の日を迎えたTCR規定最高峰シリーズのWTCR世界ツーリングカー・カップは、9月12~13日にベルギーのゾルダーで開幕戦が行われ、レース1はリバースポール発進だったネストール・ジロラミ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)が2020年最初の勝者に。続くレース2ではLynk&Co Cyan RacingのLynk&Co 03 TCRが表彰台を占拠し、ヤン・エルラシェール、イバン・ミューラーの親族ペアが早くもワン・ツーを達成した。
2020年は世界的感染症の流行を受け、幾度ものカレンダー修正を経て来たWTCRは、本来オーストリア・ザルツブルクリンクで予定されていた改訂版カレンダーでの開幕戦開催地が直前になって変更される未曾有の事態に。
そうした混乱をくぐり抜け12日土曜にゾルダーで開催された予選では、12台進出のQ2でフランス出身のナサニエル・ベルトン(アウディRS3 LMS/Comtoyou DHL Team Audi Sport)が自身初のポールポジションを獲得。2番手にはヤン・エルラシェール(Lynk&Co 03 TCR/Cyan Racing Lynk&Co)が続くフロントロウに。
さらに3番手以下にはジル・マグナス(アウディRS3 LMS/Comtoyou Racing)、サンティアゴ・ウルティア(Lynk&Co 03 TCR/Cyan Performance Lynk&Co)、イバン・ミューラー(Lynk&Co 03 TCR/Cyan Racing Lynk&Co)と並び、6番手のトム・コロネル(アウディRS3 LMS/Comtoyou DHL Team Audi Sport)を含めトップ6の全車が4ドアサルーンとなり、セダンボディの空力的優位性を見せつける結果となった。
そんななか、Q2で10番手に入っていたジロラミは、日曜朝のレース1でトップ10リバースグリッドが適用されることから最前列を確保。スタートでもその優位性を利してトップで1コーナーへと飛び込んでいく。
その背後では2番手に並んでいたハッチバックモデルのジャン-カール・ベルネイ(アルファロメオ・ジュリエッタ・ヴェローチェTCR/Team Mulsanne)を、テッド・ビョーク(Lynk&Co 03 TCR/Cyan Performance Lynk&Co)が仕留め、早々に2番手へと上がってくる。
一方、ベルネイは初のアルファロメオに苦しんだか、オープニングラップでペースが上がらずアッティラ・タッシ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE Münnich Motorsport)やコロネルのアウディにもかわされ、5番手にまで後退してしまう。
すると3周目のバックストレートでは2019年のタイトルコンテンダーであるエステバン・グエリエリ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)のシビックが派手なエンジンブローを喫し、白煙を上げてストップ。7周目のホームストレートでは、おなじくティアゴ・モンテイロ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE Münnich Motorsport)のシビックが息の根を止めるなど、同チームのシビックで首位快走のジロラミには不穏な展開が続く。