南アメリカ大陸最高峰のツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの第3戦が9月12~13日の週末にパラナ州北部にあるロンドリーナで開催され、日系ドライバーのラファエル鈴木(フルタイム・バッサーニ)がキャリア初勝利をマーク。続くレース2は、2度のタイトル経験者リカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC)がシボレー・クルーズに2020年初勝利をもたらした。
前戦インテルラゴスで開催された高額賞金“ミリオンレース”のダブルヘッダーをカウントし、実質的なシーズン第4戦の舞台となったのは、2本の特徴的なロングストレートを持つロンドリーナのアウトドローモ・インテルナショナル・アイルトン・セナで、開催直前になっての会場決定となった。
その予選で速さを見せたのは、やはり今季開幕から4戦4勝を飾っているTOYOTA GAZOO Racingブラジルの新型トヨタ・カローラ勢。2019年も“予選最速男”の異名を取ったチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング)がポールポジションを獲得し、フロントロウには元イタリアF3王者で前戦ポールシッターのセザール・ラモス(イピランガ・レーシング)、そして3番手には今季好調で常に予選上位を争うラファエル・スズキが続き、シボレー勢はガブリエル・カサグランデ(R.マティス・モータースポーツ)の4番手が最上位と、苦しい予選結果となった。
しかしレース1で先手を取ったのはそのシボレー・クルーズで、ポール発進のカミーロがレース早々にコーナーをオーバーシュートしてカサグランデに首位を明け渡すと、2番手ラモス、3番手鈴木のトップ3で義務付けられたルーティンピットへ。
するとここでR.マティスの作業速度を上回ったフルタイム・バッサーニがラファエル・スズキをトップでコースへと送り出し、チームの頑張りに応えた鈴木も約6秒のマージンを稼ぎ出す力走で24周のトップチェッカー。2014年のSCBデビュー以来初となる、待望の初勝利を手にした。
「本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。でもこのマスクが、僕自身の初勝利に対する笑顔の大きさを覆い隠してしまっているのが残念だ(笑)。チームは最高のストラテジーを遂行し、適切なタイミングで適切な場所にいることができた。ここまで6年掛かったけれど、それだけの価値はあったよ」と喜びを語ったラファエル・スズキ。
「でもこの勝利はプロセスの一部であり、僕自身は今も学んでいる。こうして最初の勝利を獲得したからには、もっと勝ちたいと思っている」
2位カサグランデ、3位カミーロの表彰台に続き、4位ラモス、5位アッティラ・アブレウ(シェルVパワー)のトップ5となり、その背後に前戦勝者のネルソン・ピケJr.(フルタイム・バッサーニ)とルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ)が並び、選手権首位のリカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ)は11位に終わっている。