9月27日(日)、2020年FIA-F2第10戦ロシアのスプリントレース(決勝レース2)が開催され、7周目に発生した大クラッシュでレースは打ち切りに。規定により5周終了時点のリザルトが適用され、周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)が初優勝。日本の角田裕毅(カーリン)は6位、佐藤万璃音(トライデント)は15位だった。
ソチの気温は28.1度、路面温度37.8度のドライで引き続き暑く、風は無風だ。規定周回数は21周、タイヤ交換の義務はない。
フィーチャーレース(決勝レース1)上位8台はリバースグリッドが適用され、ポールポジションは周、2番手にニキータ・マゼピン(ハイテックGP)、3番手はジャック・エイトケン(カンポス・レーシング)、4番手にユアン・ダルバラ(カーリン)の順となった。
角田は7番手、佐藤は13番手につける。選手権4位の角田と僅差の争いを繰り広げるシリーズランキング上位のライバルは、5点ビハインドで同5位のロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)が11番手、同点で同3位のクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)は21番手から前を追うこととなった。
1点でも多くポイントを獲得したいドライバーたちの思いが交錯するなか、日本時間の16時55分にフォーメーションラップがスタート。各車トラブルなくグリッドにマシンをつけ、スプリントレースが幕を開ける。
各車スリーワイドからフォーワイドになりながら1コーナーを通過し2コーナーへ。トップは周が死守し、後方で混戦を上手に制したのは、スタートダッシュに定評のある8番手スタートで選手権首位のミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)。ポジションを一気に4番手までアップする。
さらに後方では接触がありギリェルメ・サマイア(カンポス・レーシング)がタイヤを切ってしまい、ジェイク・ヒューズ(BWT HWAレースラボ)もマシンを止めリタイアした。
サマイアが3コーナーのアウト側にマシンを止めてしまい2周目にはVSC(バーチャル・セーフティ・カー)が導入。レースは3周目から仕切り直しとなり周、マゼピン、エイトケン、シューマッハーの順で突き進んでいく。
すぐにトップ争いは激化しシューマッハーがエイトケンをパスし3番手へ、さらに角田が選手権2位のカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)を抜いて7番手に浮上した。
7周目、ギオットとエイトケンが僅差のバトルを展開。2コーナーを通過後、ギオットがアウトからエイトケンに並びサイドバイサイドで3コーナーを進む。コーナー中間を過ぎたあたりでエイトケンが少しアウトに膨らみ、エイトケンの右リヤタイヤとギオットの左リヤタイヤが接触。
まずギオットのマシンが軽く浮き、ほぼノーブレーキでバリアにクラッシュ。そしてエイトケンもコントロールが効かず車体右側から突っ込む。その衝撃は強弾性プラスチックのテックプロバリアを跳ね飛ばし、2台のマシンがその中に埋まってしまうほどだった。
RED FLAG (LAP 7/21)
Both Aitken and Ghiotto walk away from their Turn 3 incident#RussianGP ?? #F2 pic.twitter.com/MDRTc4tTLr
— Formula 2 (@FIA_F2) September 27, 2020
The marshals are on the scene…
Both Ghiotto and Aitken's cars have been recovered#RussianGP ?? #F2 pic.twitter.com/4hD6Riht5R
— Formula 2 (@FIA_F2) September 27, 2020
昨年のスパ、そしてソチの悪夢が脳裏をよぎるも、ふたりは自力でマシンを降りる。その後ギオットのマシンから出火。消化作業とバリア修復のため赤旗が提示され、全車は一度ピットインする。
その後、再開の見込みが立たず、アクシデントから25分が経過しようというところでレースは途中打ち切りに。規定により5周終了時点のリザルトが適用され、これにより周が自身、そして中国人ドライバー初の優勝。2位にはマゼピン、3位はシューマッハーとなった。角田は6位入賞、佐藤は15位でレースを終えている。
レース距離が75%を消化していないため、獲得できる選手権ポイントは半分となった。ポイントランキング上位5台は、191点でシューマッハーが首位。以下169点のアイロット、147点の角田、145点のルンガー、140点のシュワルツマンと続く。
残り2戦となった2020年FIA-F2。次戦は約2ヶ月後、11月27〜29日にバーレーンで開催される。
■FIA-F2第10戦ロシア スプリントレース(レース2) 暫定リザルト
Pos. | No. | Driver | Team | Time/Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | 周冠宇 | ユニ・ヴィルトゥオーシ | 5Laps |
2 | 24 | N.マゼピン | ハイテックGP | 0.818 |
3 | 20 | M.シューマッハー | プレマ・レーシング | 4.816 |
4 | 9 | J.エイトケン | カンポス・レーシング | 6.459 |
5 | 25 | L.ギオット | ハイテックGP | 7.670 |
6 | 7 | 角田裕毅 | カーリン | 8.282 |
7 | 4 | C.アイロット | ユニ・ヴィルトゥオーシ | 9.141 |
8 | 2 | D.ティクトゥム | ダムス | 9.769 |
9 | 12 | P.ピケ | チャロウズ・レーシング・システム | 10.506 |
10 | 21 | R.シュワルツマン | プレマ・レーシング | 11.244 |
11 | 8 | J.ダルバラ | カーリン | 11.988 |
12 | 16 | A.マルケロフ | BWT HWAレースラボ | 12.438 |
13 | 6 | C.ルンガー | ARTグランプリ | 13.536 |
14 | 5 | M.アームストロング | ARTグランプリ | 14.053 |
15 | 23 | 佐藤万璃音 | トライデント | 14.611 |
16 | 14 | G.アレジ | MPモータースポーツ | 15.032 |
17 | 11 | L.デレトラズ | チャロウズ・レーシング・システム | 15.717 |
18 | 1 | J.ビップス | ダムス | 17.100 |
19 | 22 | R.ニッサニー | トライデント | 17.757 |
20 | 15 | F.ドルゴヴィッチ | MPモータースポーツ | 38.002 |
— | 17 | J.ヒューズ | BWT HWAレースラボ | DNF |
— | 10 | G.サマイア | カンポス・レーシング | DNF |