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海外レース他 ニュース

投稿日: 2020.10.03 12:49
更新日: 2020.10.03 12:52

インディ第12戦ハーベストGP詳報:ニューガーデン完勝でディクソンとの差を詰める。琢磨は我慢のレースに

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海外レース他 | インディ第12戦ハーベストGP詳報:ニューガーデン完勝でディクソンとの差を詰める。琢磨は我慢のレースに

 インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースを舞台にダブルヘッダーで開催されているNTTインディカー・シリーズ。第12戦ハーベストGPの決勝が2日に行われ、チャンピオンを争うジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が今季3勝目を挙げた。

 24番手からスタートした佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、後方で我慢のレースを続け、18位でフィニッシュした。

 予選日に続いて今日もインディアナポリスは最高気温が摂氏16度という寒さとなった。インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースでは、今年の7月4日に一度レースを行っている。しかし、その時の気温は32度もあった。コンディションがまったく違うが、ファイアストンのタイヤは同一スペックが用意された。

 7月に勝ったのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)だった。彼はポイントリーダーでチャンピオンへとまた一歩近く可能性が高いと見られていた。

 ところが、彼はおおいに苦戦した。寒いコンディションにマシンを合わせ切れなかったようだ。そして、ランキング2位につけるジョセフ・ニューガーデンが対照的に完璧な戦いぶりで勝利を掴んだ。

 予選2番手だったニューガーデンは、スタートからレース全体を見渡したペース配分で走っていたようだ。序盤からガンガン飛ばしていったコルトン・ハータ(アンドレッティ・ハーディング・スタインブレナー)と、初ポールポジションを獲得したルーキーのリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)のことは気にせず、自分の考えた通りのレースを戦っていた。

トップ争いをするヴィーケイとハータ
トップ争いをするヴィーケイとハータ

 ミド・オハイオのレース2からの連勝を飾る勢いを見せたハータは、タイヤに負担をかけ過ぎ、スティント終盤の走行が不安定になっていた。彼はペースを保てなくなり、ニューガーデンが背後に迫ると、ターン1でブレーキをロックさせてトップを明け渡した。

 ニューガーデンはレース後半戦で徐々にペースを上げていく。最後のピットストップを終えた後の彼はリードを広げることさえして見せ、2位に浮上して来たアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)に14秒もの大差をつけての優勝、シーズン3勝目を挙げた。

 ディクソンが9位フィニッシュに終わったことから、ニューガーデンは大きく差を縮めることに成功した。ゲートウェイでのレース1が終わった時点では117点もの差があったが、残り2レースでその差は40点に。明日のレース2で逆転すら可能なポイント差となったのだ。

「自分たちのマシンは今日、本当に速かった。昨日の予選を終えた時点で、決勝でそういう戦いができるという確信を得ていた。8月にインディで勝ちたかったけど、今日勝ってリフトで表彰台に上ることができて本当に嬉しい」とニューガーデンは喜んでいた。

トップでブリックヤードを通過するジョセフ・ニューガーデン
トップでブリックヤードを通過するジョセフ・ニューガーデン

 ロッシは、ミド・オハイオのレース2から2戦連続の2位フィニッシュ。ハータのスピードが目覚しく、アンドレッティ軍団のエースの座を奪われてしまいそうな印象だが、レース全体をマネジメントする力ではまだロッシに一日の長がある。

 今日レースでは走行が禁じられたエリアを走ってのオーバーテイクでペナルティを受けたが、それを跳ね除けて2位まで猛チャージして見せた。

 3位はヴィーケイ。ポールスタートからはハータと激しいバトルを見せた彼は、その後に順位を落としたが、最後のピットストップ後にペースを復活させ、フェリックス・ローセンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)、ハータら同世代のライバルたちを次々パスして初表彰台にたどり着いた。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は24番手スタートから18位でフィニッシュ。

 スタートから燃費をセーブして2ストップで走り切ることにトライした彼は、最後尾に順位を下げて走行。しかし、イエローが一切出ないレースとなったため、3ストップに作戦を変更するしかなくなった。

 ペースを犠牲にして燃料をセーブしていた彼は、作戦を変える時点までにロスしたタイムが大きく、上位進出は難しくなった。それでも6ポジションもアップしてのゴールを達成した。

「予選でレッドを傷めてしまって、それで走るのは危険とチームが判断したため、自分たちはレッドが1セット少ない戦いになっていました。ダウンフォースを大きく削ったセッティングでの戦いにもなっていました」

「そんな状況でも何台かのオーバーテイクができたし、明日に向けていいデータを集めることができました。明日の予選ではトップ10を目指したい。そして、レースはそこから上位で戦いたいですね」と琢磨は話していた。

18位でゴールした佐藤琢磨。レース2につなげられるか?
18位でゴールした佐藤琢磨。レース2につなげられるか?

連続表彰台のアレクサンダー・ロッシ
連続表彰台のアレクサンダー・ロッシ


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