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海外レース他 ニュース

投稿日: 2020.10.12 08:00
更新日: 2020.10.12 09:15

角田裕毅に朗報。スーパーライセンス獲得条件緩和で日本人F1ドライバー誕生の可能性広がる

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海外レース他 | 角田裕毅に朗報。スーパーライセンス獲得条件緩和で日本人F1ドライバー誕生の可能性広がる

 10月9日、FIA国際自動車連盟はワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC)で決定した事項を発表した。そのなかにはF1参戦に必要なスーパーライセンスポイントの発給条件が緩和される内容が含まれていた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を鑑みてのものだが、現在、FIA-F2選手権に参戦中でランキング3位とスーパーライセンス獲得の現実味を帯びている角田裕毅にとっては、F1参戦へ背中を押すニュースとなる。

 2015年以前、F1に参戦していたドライバーは低年齢化が進み、それと同時にレースで荒々しいドライビングや大クラッシュを喫するドライバーが増えていった。その状況を重くみたFIAは2016年、それまで当時のF1マシンで規定距離を走破するだけで取得できていたスーパーライセンス発給条件に新たなポイントシステムを加えた。

 スーパーライセンスポイントを取得するための条件には、年齢や運転免許証の保持、現行F1マシンでの走行経験が300km以上など細かな規定が定められているが、そのなかに『直近3年間で合計40ポイント以上のスーパーライセンスポイントを獲得すること』という事項が記載されている。

 今回、FIAがワールド・モータースポーツ・カウンシルで決定した事項の『FIAセーフティコミッション』のパートに、このポイント取得条件の緩和が加えられた。

「FIA国際モータースポーツ競技規則付則L項 第1章 第5条『スーパーライセンスの発行資格と条件』が見直された。現在の世界的なCOVID-19の影響を受けて、ドライバーがスーパーライセンスポイントを獲得できる期間が直近3年から、直近4年に延長。2020年を含む4年間のうち、いずれかの3年間に蓄積された最大ポイント数が対象となる」

「さらに、さまざまに理由により40ポイントを取得できなかったドライバーについてはFIAによってケースが検討される。ただし、その場合ドライバーは最低30ポイント取得し、さらにシングルシーターのカテゴリーで一貫して卓越した運転能力を実証している必要ある」

 2020年のポイントを必ず含まないといけないという記載は見受けられないため、おそらく、2020年を含む直近4年間(2017年〜2020年)のうち、高いほうから3年分の合計ポイントが40点を獲得しているドライバーもしくは、条件付きではあるものの最低30ポイント以上獲得しているドライバーにはスーパーライセンスポイントが発給されると理解できる。

 ではこれを考慮すると、現在FIA-F2に参戦している角田裕毅のポイントはどう変化するのか。

 これまでの『直近3年間〜』のルールでいくと、角田は2018年にFIA-F4でチャンピオン(12ポイント)、2019年のFIA-F3でランキング9位(2ポイント)の成績を納め合計14ポイントを保持している。40点のスーパーライセンスポイントを獲得するためには、今シーズン参戦しているFIA-F2でランキング4位以上(30ポイント)が絶対条件と言われてきた。

 しかし、今回のルールに当てはめた場合、角田は2017年に国内で参戦していたFIA-F4でランキング3位(7ポイント)の成績を納めているため、このポイントも対象となる。2019年の2ポイント(FIA-F3)を除外し、2017年の7ポイント(FIA-F4)と2018年の12ポイント(FIA-F4)を合計すると19ポイントを保持していることになるのだ。

 40点のスーパーライセンスポイントまでは残り21点。今回、修正された新しい条件下では、ランキング4位以上(30ポイント)という条件は変わらないものの、ランキング5位(20ポイント)の成績を納めることができればスーパーライセンスを取得できる可能性が十分に高くなる。

 今シーズンのFIA-F2選手権は10大会20レースが終了しており、残すレースは11月27〜29日と12月4〜6日にバーレーンで行われる2大会4レースとなった。もちろん前述の条件を気にせずより上の成績を求め、戦ってくれることを期待したいが、小林可夢偉以来となるフルシーズン参戦の日本人F1ドライバーの誕生を期待せずにはいられない。

 現時点でミック・シューマッハー(プレマレーシング)とカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)のフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)コンビに続いてランキング3位につけている角田。最後のバーレーン2連戦は人生を左右する大一番になる。ホンダのF1活動終了という残念なニュースもあるなか、日本のF1ファン、モータースポーツファンの期待は角田の走りにかかっている。

2020年FIA-F2選手権第10戦ロシア 角田裕毅(カーリン)
2020年FIA-F選手権第10戦ロシア 角田裕毅(カーリン)
2020年FIA-F2選手権第10戦ロシア 角田裕毅(カーリン)
2020年FIA-F2選手権第10戦ロシア 角田裕毅(カーリン)


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