BTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、2017年に向けてテクニカルレギュレーションの一部変更を承認したが、この決定が、来季のスバル・レヴォーグの戦闘力にマイナスの影響を及ぼす可能性が出てきている。
現在、サブフレームなどを共通化したNGTC規定(FIA/TCN-1規定)が採用されているBTCCだが、異なる車種や車型の間で不当なアドバンテージが発生しないよう、開幕前に各車の重心位置を測定する作業を行っている。これらの数値をもとに各車の最低重量などを算出して戦力均衡を図っているが、今回の変更は各車で異なる重心位置と前後重量配分を、なるべく一元化しようというもの。
2016年シーズンに鳴り物入りでデビューしたスバル・レヴォーグは、ワゴン・エステートのボディ形状による前後重量配分と、低重心の水平対向エンジンに目をつけたチームBMRの製作によるもの。駆動系をFRとしたレヴォーグは、名手コリン・ターキントンとベテラン異端児ジェイソン・プラトをエースカーとし、ジェームス・コールとチームオーナー兼ドライバーのウォーレン・スコットによる4台体制を敷いた。
しかし開幕当初はフューエルラインに問題を抱えた上に、ホモロゲーションしたインレットマニフォールドの形状不備で満足な吸気性能を出せず、シーズン中の6月に特認により修正。これにより文字どおり息を吹き返したマシンは、その後はシリーズ内でのペースセッターと呼べるほどの速さを身につけていた。
こうしてグリッド上でも一線級のパフォーマンスを得たレヴォーグにとって、その重要な構成要素のひとつである重量配分が見直されることは、アドバンテージの削減につながる可能性が高いとチーム関係者は見ている。
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