8月になってようやく開幕戦に漕ぎ着けたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップは、さらなる大会中止の末に10月17~18日にWTCR世界ツーリングカー・カップとの併催による第2戦が実現。およそ1カ月半ぶりのレースとなったハンガロリンクを舞台に全4ヒートが争われ、地元出身ノルベルト・キス(レベス・トラック・レーシング/MAN)が好調を維持し、週末3勝を挙げる大活躍を演じた。
本来はオーストリアでのWTCR開幕戦やTCRヨーロッパとのトリプルヘッダーでの第2戦が予定されていたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ。しかしそのレースウイーク目前になって渡航制限と検疫要件のためFIAから開催延期の通達がなされ、スペインのハラマ戦ともども2021年シーズンへの開催延期がアナウンスされ、2020年ETRCは急遽全3戦に縮小されることが決まった。
その第2戦はハンガリーのテクニカルトラックでの勝負となり、土曜はWTCR同様にウエットコンディションとなるなか、まずは2017年王者のアダム・ラッコ(バギュラ・ゼロ・マイレージ・レーシング/フレイトライナー)が、Q1とスーパーポール・セッションを制して2020年自身最初のポールポジションを射止めた。
そのまま降雨が続きイエローフラッグ下でのスタートとなったレース1は、2周目にレース開始のグリーンフラッグが降られると、ポールシッターのラッコが良好な視界で優位に立ち後続を引き離しにかかる。
フロントロウ2番手に並んだ伏兵アンソニー・ヤニエック(ライオン・トラック・レーシング/MAN)以下、今季から新型『イヴェコS-WAYレーシング・トラックス』をドライブする絶対王者ヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イヴェコ)やシリーズ3冠のベテラン、アントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/MAN)らを置き去りにし、ラッコが24秒もの大量マージンを稼ぎ出し、開幕に続く今季2勝目を獲得した。
一方、2位に入ったヤニエックは午前の予選からスピードを維持したものの、決勝はトラックリミット違反のペナルティで7位降格となり、5番グリッドスタートながら9周目にアルバセテ、最終ラップ目前で前人未到6度のタイトルを誇る“帝王”ハーンを仕留めたキスが2位に入っている。