10月17~18日にWTCR世界ツーリングカー・カップとの併催による第2戦を実施していたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップは、11月14~15日にイタリアのミサノで実施予定だったイベントのキャンセルを発表。これにより、2020年はドライバーとチームのタイトルを授与しないことが決定し、2021年のチャンピオンシップ再開に向けリソースを集中することとなった。
この世界的に困難な時期にあって、欧州の物流を支える企業、労働者層とその家族、そして多くのファンに支えられ、8月の開幕に漕ぎ着けたETRCは、度重なる大会中止やカレンダー変更のあおりを受けながらも10月に第2戦を実施していた。
その間も、オーストリア・ザルツブルクやスペインのハラマ戦ともども2021年シーズンへの開催延期がアナウンスされ、2020年は急遽全3戦に縮小されることが決まるなど、厳しい要件でのレースウイークが続いてきた。
そして最終戦ミサノを前に、選手権プロモーターのETRA(トラック・レーシング・アソシエーション/Truck Racing Association)とFIA、そして地元のレース主催者が協議し、第3波到来で感染拡大が止まらない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮し、症例数の増加とヨーロッパ全土での旅行制限に続き、イタリア政府によって課された最新の制限にも基づいて、この週末のイベントをキャンセルすることを決断した。
この結果、シリーズ・コミッションは2020年シーズンのドライバー、チームの両タイトルを「授与しない」ことも決定し、チャンピオンシップは事実上“ノーゲーム”に。
貴重なレースウイークを失ったミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリを含め、既存のすべてのレース主催者は来年のコミットメントを表明しており、ETRAはその仕事を2021年のカレンダー策定とシーズン基盤を確立する方向へとシフトしている。