混沌の2020年を駆け抜け、ついに第9戦のシーズンフィナーレを迎えたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権。11月14~15日にブランズハッチのインディ・サーキットで3ヒートが争われ、今季から復活の元ファクトリーカー『インフィニティQ50BTCC』をドライブした、2017年王者アシュリー・サットン(レーザーツールス・レーシング)が、スバル・レヴォーグでの戴冠に続き自身2度目のドライバーズタイトルを獲得した。
わずか9点差で敗れたディフェンディングチャンピオンのコリン・ターキントン(BMW330i Mスポーツ/チームBMW)は、名門ウエスト・サリー・レーシングとBMWに、チームとマニュファクチャラーの両タイトルをもたらしている。
シリーズを運営するTOCAは、世界的に蔓延する新型コロナウイルス(COVID-19)感染症に対する行動制限を受けながらも、8月の開幕以降2020年シーズンを形成する全9戦を滞りなく開催し、ついに最終戦ブランズハッチの週末を迎えた。
第3波の到来でふたたび無観客でのレースウイークとなった“ショート版”インディ・サーキットでの走り出しは、直前に来季契約を発表したFK2シビックのジェイク・ヒル(ホンダ・シビック・タイプR/MBモータースポーツ・アクセラレーテッド・バイ・ブルースクエア)がトップタイムを記録。
そして予選では、タイトルコンテンダーの一角でもあったスピードワークス・モータースポーツのトム・イングラム(トヨタ・カローラBTCC/TOYOTA GAZOO Racing UK ・ウィズ・ギンスターズ)が今季最後のポールポジションを獲得するなど、週末は悪天候が続くと予測されたケント州のトラックで、日本のマニュファクチャラーを出自に持つマシンたちが勢いを見せた。
明けた日曜のレース1でその流れを受け継いだのは、4番グリッドから虎視淡々と逆転タイトルを狙ったチーム・ダイナミクスのダン・カミッシュ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/ハルフォーズ・ユアサ・レーシング)で、オープニングラップの“Paddock Hill Bend(パドックヒル・ベンド)”でフロントロウ2番手のロリー・ブッチャー(フォード・フォーカスST/モーターベース・パフォーマンス)をアウトサイドから仕留め、タイトル候補同士のバトルを制してみせる。