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海外レース他 ニュース

投稿日: 2016.11.15 17:22

TOYOTA GAZOO Racing NASCARフェニックス レースレポート

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海外レース他 | TOYOTA GAZOO Racing NASCARフェニックス レースレポート

2016年11月15日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部

NASCARスプリント・カップ・シリーズ第35戦フェニックス
カイル・ブッシュとカール・エドワーズが“チェイス”最終戦進出
トラックでは9度目のマニュファクチャラーズタイトル確定

 NASCARはフェニックスで3シリーズ全てで最終戦のひとつ前のレースが行われ、最終戦でタイトルを争う“チェイス”の4人が決定。スプリント・カップ・シリーズではトヨタ勢は前戦勝利のカール・エドワーズに加え、カイル・ブッシュが進出。

 エクスフィニティ・シリーズではダニエル・サレスとエリック・ジョーンズ。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズではクリストファー・ベル、マット・クラフトン、ティモシー・ピーターズの3名が進出を決め、次週タイトルを争うこととなった。

 また、全シリーズでトヨタがタイトルを争っているマニュファクチャラー部門では、一足先にトラック・シリーズで4年連続、通算9度目となるタイトル獲得を決めた。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第35戦 Can-Am 500
開催日:11月13日

カイル・ブッシュが2位フィニッシュ
カイル・ブッシュとカール・エドワーズが“チェイス”最終戦進出

 11月13日(日)、米国南西部アリゾナ州エイボンデールのフェニックス・インターナショナル・レースウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第35戦「Can-Am 500」が開催された。

 年間36戦で争われる長いNASCARのシーズンもいよいよ残り2戦。シーズン終盤の10戦で上位選抜ドライバーによりタイトルを争う“チェイス”も最後の佳境となった。今大会を終えた時点で、“チェイス”ドライバーは8名から4名に絞られ、最終戦となる次戦ホームステッドでタイトルを争う権利を得る。

 トヨタ勢ではカール・エドワーズが前戦テキサスで起死回生の勝利を挙げ、最終戦への切符を確保。今ラウンド初戦をジミー・ジョンソン(シボレー)が制しているため、残り2つの椅子を賭け、カイル・ブッシュ、デニー・ハムリン、マット・ケンゼスを含む6人のドライバーによる激しい争いが繰り広げられることとなった。

 13日(日)午後0時45分に、砂漠の中の1マイルオーバルを312周(312マイル:約500km)して競われる決勝レースがスタートした。

苦しみながらも2位フィニッシュを果たし、激戦の“チェイス”争いで最終戦進出を果たしたカイル・ブッシュ(#18)
苦しみながらも2位フィニッシュを果たし、激戦の“チェイス”争いで最終戦進出を果たしたカイル・ブッシュ(#18)

 前半戦は5番手スタートのハムリンと、10番手スタートのケンゼスがトップ10圏内で上位を伺った。しかし、ハムリン、ケンゼス、カイル・ブッシュの3名と、わずか2ポイント差で“チェイス”残りの2つの椅子を争っているジョーイ・ロガーノ(フォード)がこの2台よりも上位を走行。

 また、ポイントでは大きく遅れているものの、ここフェニックスではここ5年の9戦中6勝と圧倒的に得意としているケヴィン・ハーヴィック(シボレー)も優勝での最終戦進出を狙い上位につけるなど、序盤から熾烈な戦いが繰り広げられた。

 一方、昨年トヨタ勢では唯一最後の4人に進出し、シリーズチャンピオンを獲得したカイル・ブッシュは前半ハンドリングの不調に悩み、トップ10圏外での走行が続いた。

 後半に入ると、カイル・ブッシュもピットイン毎に行っていった調整が効を奏し上位へ浮上。更にバトルは激化。

 245周目、ついにケンゼスがロガーノをかわし、2位へ浮上。続くコーションでほとんどの車両がピットインしたのに対し、ハムリンだけがコース上に残り、首位へ。タイヤ2本交換でトップでピットアウトしたケンゼスは2位につけると、再スタートでハムリンをかわして首位に立った。

 その後はケンゼスが後続を引き離して首位を独走。注目は、その後方でハムリンをかわしたカイル・ブッシュとロガーノによる最後の椅子を巡ってのバトルとなった。
 しかし、残り4周というところでスピン車両によりイエローコーションが発生。レースは延長され、最後の2周“オーバータイム”で競われることに。ここで、燃料の厳しかったハムリンはピットへ。10位に後退したが、タイヤを交換し、最後の逆転に賭けた。

 ケンゼスは首位、その後2列目にカイル・ブッシュとロガーノが並んで注目の再スタートが切られた。

 最前列アウト側を選択したケンゼスが好スタートを切り、第1ターンのインへ切り込んでいったが、ここで最前列イン側の車両が、後方のカイル・ブッシュをブロックしようとしてバランスを崩し、アウトにいたケンゼスに接触。ケンゼスはスピンを喫し、コース外周の壁にクラッシュ。これでケンゼスは“チェイス”争いから姿を消すこととなってしまった。

 このクラッシュで出されたコーションにより“オーバータイム”の再スタートはやり直し。この最後の2周は激しい2位争いが展開されたが、カイル・ブッシュは2位を死守してチェッカー。

 ロガーノがこのレースを制したため、“チェイス”4人目にはカイル・ブッシュが入ることとなり、トヨタ勢はエドワーズとカイル・ブッシュの2人が最終戦でタイトルを争うこととなった。

 今大会終了時点でこの4人のポイントのみ5000点に一律加算され、最終戦、エドワーズとカイル・ブッシュ、ロガーノ、ジョンソンの4名のうち最も上位でフィニッシュしたドライバーがシリーズチャンピオンとなる。

 いよいよタイトルが決定されるシーズン最終戦、第36戦は11月20日(日)、米国南東部フロリダ州ホームステッドのホームステッド・マイアミ・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:
「最後のひとつ前の再スタートでは、私が88号車(アレックス・ボウマン:シボレー)のインに入って、彼が22号車(ジョーイ・ロガーノ:フォード)をブロックする形になり、私と20号車(マット・ケンゼス)が1-2で“チェイス”に残るという展開を狙っていたのだが、期待通りにはならなかった。

 私自身は今日ずっと苦戦を強いられたが、諦めずに上位を目指し続けたおかげで、最終的には素晴らしい結果で終わることが出来た。ここ数週、私本来の強さは見せられていないが、着実なレースを戦ってきた。来週は真の強さを発揮出来ればと思っている」

<チェイス・フォー・ザ・NASCARスプリント・カップ>
“チェイス”と略して称されることが多い。NASCARスプリント・カップ・シリーズの全36戦のうち、終盤の10戦でタイトルを競うプレーオフシステム。26戦が終わった時点で、シリーズ戦に勝利したドライバー(全レース出場、ランキング30位以内が条件)と、未勝利でランキング上位の計16名が“チェイス”に進出。

“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの3ラウンドを戦い、各ラウンドごとに未勝利のランキング下位4名が脱落しポイントはリセット。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。


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