BTCCイギリス・ツーリングカー選手権を運営するTOCAは、現地1月12日に2021年の暫定エントリーリストを発表。シリーズ参戦枠となるTBL(TOCA BTCC Licences)の全29台分が割り当てられていることを明かし、来季も盛況のフルグリッドで争われることが明らかとなった。
また、トヨタ陣営のTOYOTA GAZOO Racing UK・ウィズ・ギンスターズとして参戦するSpeedworks Motorsport(スピードワークス・モータースポーツ/SWM)は、事前の予測どおり2台体制に強化、BMWにスイッチするCiceley Motorsport(シシリー・モータースポーツ)は、元WTCC世界ツーリングカー選手権ドライバーのトム・チルトン加入を発表するなど、チームの新体制も数多くアナウンスされている。
近年は30台ものエントリーを集めてきたBTCCだが、昨季2020年は世界的に蔓延した感染症の影響でシリーズ開幕自体が遅れたことにより、2台のボクスホール・アストラBTCCを走らせるPower Maxed Racing(パワー・マックス・レーシング/PMR)が参戦を見合わせることに。さらに“名門”チームBMWのWest Surry Racing(ウエスト・サリー・レーシング/WSR)も、2013年王者アンドリュー・ジョーダンが個別プログラムを休止するなど、フルシーズンエントリーが26台に減少する事態を余儀なくされた。
しかし2021年に向けて、TOCAは現状で用意する29台分のTBLがすべて活用されていることを発表し、開幕戦のグリッド上では2020年と比較して多くの変更が加えられたチームラインナップが見られることとなりそうだ。
「我々は皆、このもっとも過酷な時期を経験してきたわけだが、2021年に向けてグリッドを埋める完全なエントリーリストがあることは、BTCCの強さと人気の証だろう」と語るのは、シリーズを運営するTOCA代表のアラン・ゴウ。
「さらに注目すべきは、グリッドの3分の1がこのオフシーズンに製造された新車であるという事実だ。これらの要素により、2021年がさらに素晴らしい、そしてさらに予測不可能なシーズンを迎えるだろうことを意味している」と続けたFIAツーリングカー・コミッション理事でもあるゴウ。
そのヘッドラインとなるトピックスは、SWMのトヨタ・カローラBTCCがいよいよ2台体制へ拡張されること、フォード系有力チームのMotorbase Performance(モーターベース・パフォーマンス)がAmD Tuning.comに買収され、参戦形態を大きく変えること、そして王者アシュリー・サットン擁するLaser Tools Racing(レーザー・ツールズ・レーシング/LTR)が、チャンピオンカーのインフィニティQ50BTCC(日本名:スカイライン)を1台追加し、3台体制で挑むことだ。
チーム間の提携や合併、連合などの影響でTBLが複雑に推移しているが、その発端となったのはAmD代表のショーン・オランビーと、現ドライバーであるサム・オズボーンの父ピートによるモーターベースの買収だろう。