TCR規定ツーリングカーをベースとしたフル電動車両による新選手権、Pure ETCR(ピュアETCR)の初年度となる2021年カレンダーがアナウンスされ、欧州を中心に韓国アジアラウンドを最終戦とした全5戦のスケジュールが明らかにされた。
また、当初より計画されていたデモンストレーション・イベントとして、1月末にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されたデイトナ24時間の現地では、ヒュンダイ・ヴェロスターN ETCRが初走行を披露し、開発ドライバーのアウグスト・ファーフスがステアリングを握っている。
パーマネント・サーキットと特設市街地コースの複合カレンダーとなった電動ツーリングカー・シリーズ初年度は、現在進行中の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響を考慮し、通常のモータースポーツ・シーンより遅れた真夏の開幕が選択された。
ユニークなスポーティング・レギュレーションを満載したピュアETCRは、オフテストも実施されたイタリア・バレルンガで6月中旬に初のレースが開催され、第2戦は7月初旬のベルギー・ゾルダーをセレクト。さらにその1週間後にはシリーズのラウンチイベントも催されたスペインのモーターランド・アラゴンに移動し、WTCR世界ツーリングカー・カップ併催イベントとして第3戦が争われる。
8月にはシリーズ立ち上げ当初から目玉イベントのひとつに掲げられてきた、デンマークの市街地レース『コペンハーゲン・ヒストリック・グランプリ』の一環として第4戦が組み込まれ、このイベントで欧州ラウンドが締め括られる。
その後、シリーズは機材輸送のリードタイムを稼ぐためサマーブレイクを挟み、韓国のインジェ・スピーディウムで最終戦を戦い、ここでもWTCRの併催戦として初年度シーズンのフィナーレを迎える計画だ。
「世界初のオールエレクトリック、マルチブランドのツーリングカー選手権初年度カレンダーを発表できてうれしく思う。このアナウンスに向けては、世界的な大流行により引き起こされた不確実性に対処し、多くの困難を乗り越えるための柔軟性が必要だったんだ」と語るのは、WTCR同様にピュアETCRのシリーズディレクターを務めるハビエル・ガヴォリ。