2月5日にワールドプレミアとなった新型TCR規定ツーリングカー、第2世代『アウディRS3 LMS』が、2021年のWTCR世界ツーリングカー・カップに参戦することが発表された。その実動部隊であるベルギーのComtoyou Racing(コムトゥユー・レーシング)は4台のマシンを投入し、フレデリック・バービッシュとナサニエル・ベルトンが開発作業を担うこともアナウンスされている。
アウディスポーツの契約ドライバーでもあるバービッシュとベルトンは、2021年下半期にカスタマーデリバリーを予定する新型モデルの世界展開に先立ち、アウディのブランニューTCRモデルを磨き上げ、世界戦の舞台でそのパフォーマンスを証明する重要な使命を負うこととなった。
アウディからの“派遣”となるこの2名に加えて、コムトゥユー・レーシングはさらに2台のマシンを走らせる準備も進めており、そのドライバー選定は「後日」にも追ってアナウンスされる。
「この(WTCR参戦の)決定により、さまざまな国際レーストラックで最大の競争圧力にさらされる厳しい条件の下で、新しいモデルのテストをする機会が得られる。そうして初めて、今年の後半から世界中のカスタマーに我々のマシンをデリバリーすることが可能になるんだ」と語るのは、アウディスポーツのカスタマーレーシング部門責任者を務めるクリス・ラインケ。
「ジャン-ミシェル・ベアトのチームは、我々アウディのモデルを熟知しており、国際レースでのタイトル獲得実績に加え、2017年のTCR黎明期から私たちのマシンで戦ってくれているんだ」
ラインケから名前を挙げられたコムトゥユー・レーシングのゼネラルマネージャーであるベアトは、誰にとっても厳しい条件を強いられた2020年を振り返り「確かに昨季はTCRヨーロッパとTCRベネルクスでのタイトルや、WTCRでの勝利に複数の表彰台、そしてルーキータイトル獲得などチームにとって最高の年だった」と続けた。
「アウディスポーツのサポートのおかげで、今季も表彰台の最上段にベルギー国旗のカラーを掲げることができるはずだ。これほどの自信をもたらしてくれたクリス・ラインケと、彼のチーム全体に感謝を捧げたい」