2月13~14日の週末に開催予定だった2021年のTCRオーストラリア第2戦は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策のロックダウン措置を受け延期されていたが、3月12~14日の週末にファナテックGTワールドチャレンジ・オーストラリア(GTWCオーストラリア)併催戦として無事に開催された。
このレースで主役を張ったのがRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ(旧VASC)でも活躍するチャズ・モスタートで、メルボルン・パフォーマンス・センター(MPC)のアウディRS3 LMSをドライブしたホールデン陣営のエースは、ウエットの土曜にポール・トゥ・ウインを決めると、続く日曜のレース2も制するなど大活躍。
本戦たるGTWCオーストラリアの開幕ラウンドでも、ジャメック・レーシングに所属する元スーパーカーのトップドライバー、ガース・タンダーとヤセル・シャヒンのアウディR8 LMSエボが連日連勝を飾るなど、RSC経験者が席巻する週末となった。
2021年のRSCではウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)のエースとしてホールデン・コモドアZBで2年目のシーズンを迎えるモスタートは、1月開幕のTCRオーストラリア、シモンズプレイン戦からMPCが用意したアウディで参戦。TCR初体験ながら、表彰台を争うスピードを披露していた。
そのモスタートは金曜2回のプラクティスから、こちらもRSCレギュラーの開幕戦勝者、リー・ホールズワース(アルファロメオ・ジュリエッタ・ベローチェTCR)と首位タイムを分け合うと、土曜の霧雨が舞う予選セッションから躍動。10分の計時予選と続くトップ10シュートアウトも制し、レース1のポールポジションを確保した。
「トップ10シュートアウトに向けて少しセッティングを変更したが、感触は素晴らしかった。この難しいコンディションのなか、アウディでポールを奪えてうれしいね」と振り返ったモスタート。
「正直、Q2に向かうときは少し緊張したんだけど(笑)、チームにトップのグリッドを持ち帰れたのは素晴らしい成果だ。この後のレース1は本降りの雨だろうし、先頭にいるのが最善の策だと思うよ」
そう予測していたモスタートは、レース1のスタートでもフロントロウに並んだチームメイトのルーク・キング(アウディRS3 LMS)や、セカンドロウに並んだ古豪ギャリー・ロジャース・モータースポーツの豪州SC経験者、ホールズワースとマイケル・カルーソ(アルファロメオ・ジュリエッタ・ベローチェTCR)らを従えてホールショット。後続のポジションチェンジを尻目にわずか4周で10秒のマージンを稼ぎ出してみせる。