TCR規定車両をベースとした新たなフル電動ツーリングカー選手権、Pure ETCR(ピュアETCR)の第4回公式テストが3月22~24日にイタリア・ヴァレルンガで実施され、公式ラウンチ済みのアルファロメオ・ジュリアETCRが待望のシェイクダウンを敢行。すでにテスト継続中のヒュンダイ・ヴェロスターN ETCRとセアト・クプラe-Racerの3台で3日間のセッションを走破し、初年度のレースドライバーに起用されたステファノ・コレッティがステアリングを握っている。
2021年6月の初年度開幕に向け、元GP2ドライバーで現在31歳のコレッティ起用をアナウンスしたロメオ・フェラーリは、テスト開始前日の日曜にアルファロメオ・ジュリアETCRへのバッテリー・インストレーションを完了。シリーズへのシステム供給を担うWilliams Advanced Engineering(ウィリアムス・アドバンスド・エンジニアリング/WAE)やMAGELEC(マグエレック)社のエンジニアらとともに、シェイクダウン走行に向けた作業を完遂した。
「ジュリアETCRへのバッテリー取り付け作業が成功したことで、このクルマの長期におよぶ設計プロセスが終えられたことになる」と語ったのは、ロメオ・フェラーリのオペレーションマネージャーを務める元TCRドライバーのミケーラ・セルッティ。
「昨今の世界情勢を受け、ロジスティクス上の多くの障害に直面したことで、車両製作の作業は簡単ではなかった。でも彼らクルーは完璧な仕事をしたし、私たちのような独立系コンストラクターにとって、これは大きな一歩よ。スタッフの仕事と献身を誇りに思っているし、私個人は非常に満足しているわ」と、まずはチームの労を労ったセルッティ。
「実際、もっとも困難な部分は明日から始まる。時間の制約が少ない大企業の資本とふたたび戦わなければならない、という点でね。ちなみに、過去に示したように私たちはトップレベルでレースをする能力とリソースを持っていると認識しているし、大きな決意を持って明日からの挑戦を楽しみにしている」
こうして3月初旬に続いてバレルンガに集結したETCR参戦組は、初日の月曜に3台揃って初のコースインを果たすと、まずはジュリアETCRのすべてのシステムとソフトウェアが正しく機能していることを確認。チームのテクニカルディレクターであるマリオ・フェラーリの手でコースでの周回を重ね、火曜の午後からレースドライバーのコレッティにシートを引き継いだ。