WTCR世界ツーリングカー・カップへのステップアップ・ラダーとしても機能する、TCR規定のリージョン選手権最高峰、TCRヨーロッパ・シリーズに参戦するチームの体制が続々とアナウンスされ、PSSレーシングはヴィクトル・ダビドフスキーに加えてフランコ・ジロラミを起用してのフル参戦プログラムを発表した。一方、ヤニック・モータースポーツにはチェコ共和国出身のヤングレーサー、ヤーヒム・ガラシュのチームメイトにスロバキア出身の実力者マット・オモラが加入。新たにジャンタール・チームのエントリー名で参戦することが決まった。
2020年は散発的なエントリーに留まったPSSレーシングは、ダビドフスキーとジロラミのFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRが2台がそろって参戦した最終戦ハラマに続き、新シーズンに向け改めて2台体制を構築するとアナウンスした。
「ホンダとJASモータースポーツとの協力体制は引き続き強力であり、競争力があり楽しい年になることを期待している」とステートメントに記したPSSレーシングだが、当チームから2020年開幕戦ポールリカールにゲスト参戦したフランコの兄ネストールは、引き続きミュニッヒ・モータースポーツでのWTCR参戦と並行して、ふたりの“メンター”的立場としてチームをサポートする役割を担う。
そのフランコ自身も2018年からTCRヨーロッパに挑戦するかたわら、地元アルゼンチンでも精力的に活動を続けており、2019年は国内最高峰カテゴリーのスーパーTC2000でシボレーYPFチームのYPFクルーズのシートを経験すると、続く2020年はフィアットDTAレーシングのクロノスSTC2000をドライブ。さらに同国のTOP RACE V6ではドライバーズランキング2位を獲得するなどマルチな才能を披露してきた。
一方、今季からヒュンダイ・モータースポーツのカスタマーレーシング部門が支援するジュニア・ドライバー・プログラムの一環として、若干19歳のガラシュとともにTCRヨーロッパ参戦を決めていたヤニック・モータースポーツは、さらにもう1台のヒュンダイi30 N TCRを投入することを決定した。そのドライバーにWTCR優勝経験者のオモラを起用するとアナウンスしている。