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海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.04.16 05:39
更新日: 2021.04.16 06:00

王者ディクソンに立ち向かうのは? 大物ルーキーも参戦のインディカーは2021年もハイレベルバトルが展開

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海外レース他 | 王者ディクソンに立ち向かうのは? 大物ルーキーも参戦のインディカーは2021年もハイレベルバトルが展開

 4月8、9日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイの2.5マイルオーバルで行われた2日間のオープンテストでオフのテストはすべて終了。NTTインディカー・シリーズは開幕を待つばかりとなった。

 今シーズンもアメリカ最高峰シングルシーターでは非常にハイレベルかつ熾烈なバトルが繰り広げられそうだ。

 毎年”空前絶後”と書いて来ているが、驚くほど競争のレベルが向上して来ているのは、2012年にワンメイクシャシーでの戦いとされて複数年に渡って同じマシンを使って戦う状況となったことから全チーム、ドライバーのマシンに対する理解度が深まり、実力差が縮まる一方となっているのだ。

 そんな今シーズンの注目は、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が史上最多タイの7回目のタイトル獲得がなるか。

 競争が激しくなってもライバルたちに対する差を見つけることに成功して来ているのがガナッシとディクソンのコンビネーション。彼らの強さは今年も変わらないだろう。

2020年は開幕3連勝で波に乗ったスコット・ディクソン
2020年は開幕3連勝で波に乗ったスコット・ディクソン

 ただし、今年もその戦いぶりが孤軍奮闘となるのもまた間違いなさそうだ。彼とフルシーズンを一緒に戦うチームメイトたちが、マーカス・エリクソンと新加入のアレックス・パロウという若いふたりだからだ。

 彼らのインプットを大きな助けに……という期待をディクソンとしては抱きにくい。ロード&ストリートにのみ出場のNASCARチャンピオン=ジミー・ジョンソンが加わって体制が4カーに拡大されるものの、JJがいきなりトップレベルで戦えるとは考えにくく、彼の加入もディクソンにとってはメリットにはならないだろう。アシストをすることが負担にはなることはあっても……。

 しかし、マイナス要素ばかりではない。ジョンソンのマシンをオーバルで走らせるために雇われたトニー・カナーンは、ディクソンと同じハイレベルでの話ができる元チャンピオンでインディ500優勝経験者。

 ディクソンとすれば、特にインディ500で彼の貢献が期待ができる。そのカナーンもインディで勝つ意欲満々だろう……。いずれにせよ、インディカー3シーズン目、ガナッシでの2シーズン目となるエリクソンは初優勝がマストで、パロウは2シーズン目だが、昨年幾つかのレースで見せた走りからして、ガナッシ入り1年目に優勝する可能性がある。

 チーム・ペンスキーは昨年惜しくもランキング2位に終わったジョセフ・ニューガーデンがチャンピオン候補の最右翼。彼は3回目のタイトルと、インディ500初優勝が目標だ。
 ウィル・パワーとシモン・パジェノーのふたりは2回目のタイトル、インディ500での2勝目を目指す。ただし、ベテランふたりより注目を集めるのは、南半球のV8スーパーカー王者スコット・マクラフランかもしれない。

 新参のニュージーランド人ドライバーがどれだけの爆発力を見せるか。ベテランふたりはウカウカしていられないだろう。

ペンスキーのエースドライバーへと成長したジョセフ・ニューガーデン
ペンスキーのエースドライバーへと成長したジョセフ・ニューガーデン

 アンドレッティ・オートスポートは共同経営者を複数招き入れて4台体制を維持。ラインアップはライアン・ハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシ、コルトン・ハータ、ジェイムズ・ヒンチクリフとなり、マルコ・アンドレッティはフルシーズン出場ではなく、インディ500のみか、それプラス数戦と活動を縮小する。

 メイヤー・シャンク・レーシングとの提携は続き、そちらのレギュラーとしては今年もジャック・ハーベイが走る。インディ500ほか何戦かにはエリオ・カストロネベスが加わる。アンドレッティとカストロネベスのコンビネーションは初めてのことだ。

大舞台で強さを見せるアレクサンダー・ロッシ
大舞台で強さを見せるアレクサンダー・ロッシ

 ハンター-レイのパフォーマンスは下り坂と見えているが、インディ500での強さは変わらない。昨年のロッシはインディ500以外ではハータの大活躍の影に完全に隠れていた。脱却はなるだろうか? ロッシがスピードを取り戻し、ハータが走りにさらに磨きをかければ、またアンドレッティ全盛期が訪れそうだ。

 ペンスキー、ガナッシ、そしてアンドレッティ。強豪3チームだけで12台。今年もインディカーシリーズ各戦ではトップ10入りさえも非常に難しい。

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