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海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.04.19 21:06
更新日: 2021.08.29 17:49

“最速のGT3”目指す新生DTM「クラス1規則のファン」であるベルガーが語る変革の現在地

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海外レース他 | “最速のGT3”目指す新生DTM「クラス1規則のファン」であるベルガーが語る変革の現在地

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権のボスであるゲルハルト・ベルガーは、クラス1規則にかわってFIA GT3規則のマシンによるレースへと生まれ変わろうとしているシリーズが、現在は「非常にいいポジション」にあると述べている。

 新たな装いとなったDTMは先日、ホッケンハイムにおける2日間の公式テストでスタートした。5月に予定されるラウジッツリンクでのテストを経て、レースは6月から、8ラウンドでの戦いが予定されている。

 2020年にはアウディとBMWの2メーカーのみがクラス1規則の車両でレースをしたDTM。シリーズを運営するITRの責任者であるベルガーは記者会見において、今季からGT3規則を採用したことで参戦ブランドが多様化し、シリーズが活性化することに期待をしていると語った。

「いい面と悪い面がある」とベルガー。

「私はクラス1規則のファンであることを隠そうとしたことはない。BoP(性能調整)なしで公平な競争をできるフィールドが、そこにはあった」

「その一方で、開発コストは非常に高かった。テクニカルなファンにとってはとてもいいことだったが、一方でGT3カーも見栄えは良く、(各メーカーの特色が)見分けやすいという声も多く聞かれていた」

「我々のシリーズにはさまざまな音、さまざまな車両、そして多様なエンジン・コンセプトがある。そう、より多くのバラエティだ。ブランドの多様性はファンが必要とし、望んでいたものでもあった」

「その面では、GT3導入には大きなプラスがあった。パフォーマンスを平準化するためのBoPが必要にはなるがね。我々はこの点において、非常にいいポジションにいると確信している」

 ポルシェやランボルギーニなどいくつかの主要なGT3マニュファクチャラーを欠いているにも関わらず、ベルガーは2021年に参戦するメーカーの数は満足していると示唆している。

 ローヴェ・レーシングはスパ24時間で優勝したポルシェ911 GT Rでは参戦せず(BMWで参戦)、ランボルギーニ陣営であるエミル・フレイ・レーシングとグラッサー・レーシングは関心を示したことが知られてはいるが、いずれもメーカーからの支援が不足するなかでの参戦コスト増大を理由に、エントリーを見送ったようだ。

 アウディとBMWがシリーズに残る形となり、メルセデスAMGが復帰。フェラーリはAFコルセおよびレッドブルとジョイントして参戦する。JPモータースポーツはマクラーレン720S GT3を3つのイベントに送り込む予定だ。

「多かれ少なかれフィールドは満たされたが、我々はまだ目指すところに達していない」。参戦メーカー数に関する目標が達成されたかどうかを問われると、ベルガーはそう答えた。

「開幕戦まで、まだ数週間がある。これは進行中のプロセスだ。今後数週間で何がもたらされるか、見てみることにしよう」

「GT3規則はブランドの多様性に大きく貢献しており、それは我々が長いこと目指していたものだ。人生の多くの部分と同様に、ものごとには良い面と悪い面がある」

「だが、ブランドの多様性という面では非常に優れており、いくらかは達成されたと思う。また、男性と女性のドライバーが参戦するフィールドの質は優れており、ファンが楽しみにしているものでもある」

「私は挑戦することが大好きだ。パンデミックなど、現在の環境をとりまく難しさについては理解している。ドイツのような自動車大国で、DTMがどれほど強力な存在であるかについて、私はこれまでも目にしてきた」

「もちろん、多くの壁はあった。間違いない。簡単なことなど何ひとつない。これは大きな課題ではあるが、前向きなアプローチを続けていけば、最終的にはすべてがうまくいくと確信しているよ」

ソフィア・フローシュがドライブするアプト・スポーツラインのAudi R8 LMS
ソフィア・フローシュがドライブするアプト・スポーツラインのAudi R8 LMS

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この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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