2021年にTCR規格の国際シリーズへの投入が予定される2代目アウディRS3 LMSとヒュンダイ・エラントラN TCRを含む、新たなBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)の詳細が確定。TCRを統括するWSCグループの技術部門は、アウディに40kgのバラストを搭載する一方、新型ヒュンダイには0kgと免除し、総重量で1265kgとする措置を決定した。
また、今季からWTCR世界ツーリングカー・カップに昇格する名門Target Competition(ターゲット・コンペティション)や、TCRヨーロッパにも並行参戦を続けるベルギーのComtoyou Racing(コムトゥユー・レーシング)などが、新たなドライバー起用のアナウンスを行っている。
世界中のTCR規定シリーズを運用し、ライツホルダーとして所有権を管理するWSCは、このタイミングで2021年に適用される世界的な基本BoPの数値を発表した。注目は今季からの本格デリバリーを予定する新型車種2モデルで、WTCRに先行投入される2代目アウディRS3 LMSは、40kgのバラストに80mmの最低地上高、最低重量が1305kgと定められた。
一方、同じサルーンボディを採用したヒュンダイの新型TCRモデル、エラントラN TCRは、バラスト非搭載に加えて、80mmの最低地上高、最低重量1265kgと、アウディより軽い状態での参戦が許可される。
両車ともにエンジンの出力規制は掛けられず、100%のパワーでシーズンを開始する予定だが、既存のチャンピオンカーであるヒュンダイi30 N TCRは97.5%にダウンしたままの措置が確定。
さらにFK8ホンダ・シビック・タイプR TCRは2020年より10kg減のプラス30kg、フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRは10kg減で、最低地上高も10mmダウンの60mmへ。そしてプジョー308 TCRは前年よりさらにウエイトが軽減され、マイナス10kgからマイナス30kgへと20kgのダイエットが許された。
こうして2021年の各シリーズ開幕を前に性能調整の数値が固まったところで、今季からWTCRでヒュンダイの新型セダンを走らせるターゲット・コンペティションが新ドライバーのアナウンスを行い、38歳のニコラ・バルダンを、アドリアとハンガロリンクの2戦でワイルドカード起用すると同時に、TCRイタリアにはレギュラー参戦するプログラムを発表した。