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海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.04.30 15:42
更新日: 2021.04.30 15:44

1戦限りの2021年TCR NZは、ヘイデン・パッドンが勝利を飾るもタイトル獲得はならず

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海外レース他 | 1戦限りの2021年TCR NZは、ヘイデン・パッドンが勝利を飾るもタイトル獲得はならず

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の余波で、わずか1戦限りの“年1”開催となったTCRニュージーランド・シリーズの初年度イベントが実施され、元WRC世界ラリー選手権の優勝経験者ヘイデン・パッドン(ヒュンダイi30 N TCR/パッドン・ラリースポーツ・グループ)が、予選で幸先良くポールポジションを獲得した。しかし、レースではトラブルに見舞われ、わずか1勝止まりに。代わってアウディRS3 LMSを駆るクリス・ヴァン・デル・ドリフト(トラック・テック・レーシング)が3戦2勝を挙げ、初代チャンピオンの座を手にしている。

 4月24~25日の週末にオタゴ地方クロムウェルにある、ハイランズ・モータースポーツパークでの初開催となったTCRニュージーランドは、本来なら「参戦予定はなかった」と語る元WRCレギュラードライバーが予選を制圧。「1戦限定の開催と言われたら、グリッドに並ばないのは失礼だと思った(笑)」と冗談混じりに語ったパッドンが1分12秒422を記録して、レース1に向けた最前列を確保した。

 同じくパッドン率いるパッドン・ラリースポーツ・グループ(PRG)所属のジェイデン・ランズレーが、2013年開設の特徴的な立体交差を持つトラックでスピードを見せ、代表より0.286秒遅れの2番手に。その後方にはレーサー・プロダクツ・チームのジーン・ロリンソンが同じく0.317秒差の3番手につけるなど、ヒュンダイi30 N TCR勢がワン・ツー・スリー体制を築いた。

「まずは良いセッションだった。やるべきことはまだたくさんあるが、週末を始めるにあたって、この予選結果は良い方法だと思う」と上機嫌で振り返ったパッドン。

「参戦する8台のタイム差はとても接近していて、すべてのマシン間の差は約1秒にも満たない。これこそTCR全体の精神で、すべての人々のゲームでもあるんだ」と続けたパッドン。

 4番手にはチーム・ウイリアムズ・レーシングのFK8ホンダ・シビック・タイプR TCRで参戦のジョーダン・ミシェルズが続き、隣国オーストラリアではV8スーパーカー時代の英雄であるグレッグ・マーフィーが、アウディ陣営のトラック・テック・レーシング勢最上位となる3列目5番手に。

 その同僚のヴァン・デル・ドリフトとラクラン・フィッツジェラルド・サイムズが6番手、7番手に続き、1990年代初頭の世界ツーリングカー・カップで連覇を達成したポール・ラディシッチ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)は、パッドンから1.1秒差の8番手となった。

 明けた日曜の午前9時からスタートしたレース1はいきなりの波乱となり、フォーメーションラップでパッドンのヒュンダイに異変が生じ、ドライブシャフトの破損で緊急ピットを強いられる事態に。

 この不運を受け、パッドンのいない先頭を守りたかったランズレーだが、レインタイヤを履くウエットパッチ上でのバトルでは『バサースト1000』で4勝を誇るマーフィーの速さに太刀打ちできず、アウディがレース全域で首位を守り続ける。

 しかしレコードラインが乾くと後続のアウディも勢いを取り戻し、マーフィーをパスしたヴァン・デル・ドリフトが20秒以上も独走するギャップを築き、6番手からの大逆転でTCRニュージーランド最初の勝利を獲得。ロリンソンのヒュンダイにもかわされたマーフィーは最後の表彰台となる3番手を死守してフィニッシュを迎えた。

ポールシッターを務めるはずだったWRCウイナーのヘイデン・パッドンが不在のなか、TCRニュージーランド初戦がスタートに

路面コンディションが刻一刻と変化する状況で、バサーストの英雄と好バトルを繰り広げたクリス・ヴァン・デル・ドリフト(Track Tec Racing/トラック・テック・レーシング)

R2では最後尾から発進のヘイデン・パッドンが4位まで挽回してフィニッシュしている

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