アルゼンチンはブエノスアイレス近郊に位置する高速トラック、サン・ニコラスで5月1~2日に開催された2021年のスーパーTC2000(STC2000)第4戦は、今季からプーマ・エナジー・ホンダ・レーシングに移籍した2017-18年シリーズ連覇のファクンド・アルドゥソ(ホンダ・シビックSTC2000)が予選ポールポジションから土曜クオリファイレース、日曜フィーチャーレースを制し、週末完全制覇の“ハットトリック”を決めている。
金曜ルーキーテストから始まったサン・ニコラスの週末は、続く公式練習こそシボレーYPFチームの2016年王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)がタイムボード最上位を得るも、土曜公式予選で新生ホンダ・シビックSTC2000をドライブする元王者が輝きを放つ。
規定変化でより高速化したシーズンにあって、慣れ親しんだルノー・フルーエンスGTからシビックへのスイッチを決断したアルドゥソは、この第4戦にして早くもそのスピードを引き出す術を体得し、カナピノに加えてTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアの現王者マティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)も従え最速タイムを刻んでみせた。
そのまま土曜午後17時20分からスタートしたクオリファイレースでは、シリーズ独自のハンディキャップ・システムにより計時予選で7番手だったルノースポール・カストロール・チームのマティアス・ミラ(ルノー・フルーエンスGT)と、同9番手のファビアン・シャナントゥオーニ(ホンダ・シビックSTC2000)がフロントロウからのスタートに。
しかしすぐさま3番手争いに復帰したアルドゥソのシビックは、3周目に僚友シャナントゥオーニの協力を得て2番手に上がると、護衛役を引き連れ首位のミラを追走。続く4周目にはテール・トゥ・ノーズで昨季までステアリングを握っていたフルーエンスGTに揺さぶりを掛けていく。
すると早くも5周目のターン1に向けブレーキングゾーンでサイド・バイ・サイドに持ち込み、元チームメイトのミラを鮮やかにオーバーテイク。2021年型シビックのスピードを見せつけるように、25分+1ラップのレースを制圧。2位ミラ、そして3位エミリアーノ・スパタロ(トヨタ・カローラSTC2000)を下し、待望の移籍後初勝利、そして現行世代のホンダ・シビックSTC2000にも最初の優勝をプレゼントしてみせた。