6月12~13日にハンガリーの首都ブタペスト近郊のテクニカルコース、ハンガロリンクで開幕を迎えるETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップが、2021年のエントリーリスト確定版を発表。全7戦30レースのシーズンに向け、16台のトレーラーヘッドたちがグリッドに並ぶこととなった。
この5月には本来の開幕戦予定地だったイタリア・ミサノ戦を、5月22~23日の週末から10月に移す決断を迫られたETRCだが、FIA欧州格式選手権のシリーズオーガナイザーを務めるETRA(トラック・レーシング・アソシエーション/Truck Racing Association)とFIA国際自動車連盟、そして各国のレース主催団体らと協力し、現在の環境で関係者全員の安全を保つため、チームとスタッフの健康チェックを含む既存の衛生概念を、さらに改善する計画であるとアナウンスしている。
そんななか発表された2021年のフルエントリーリストでは、シリーズ6冠を誇る“帝王”ヨッヘン・ハーンが引き続き自らのチームを率いて参戦。2021年も“ワークストラック”となる『IVECO S-WAY Racing trucks(イベコS-WAYレーシングトラック)』で2年目のシーズンに挑み、前人未到7度目のタイトル獲得を狙うとした。
そのハーンに対し、過去数シーズンで最大のライバルと目されてきたハンガリー出身ドライバー、ノルベルト・キスも、引き続きRévész Racing(レベス・レーシング)のMAN(マン)をドライブ。
開幕の地元戦は限られた数のファンを前にレースを戦うことになりそうだが、2020年もシーズンキャンセル発表まで連勝に連勝を重ねたパフォーマンスを基に、2014年と2015年に獲得したタイトルを取り戻すことを目指している。
さらにハーンやキスと並ぶふたりのETRCチャンピオンも健在で、2017年王者のアダム・ラッコは今季も地元チェコ共和国のチームであるBUGGYRA Racing(バギラ・レーシング)のFREIGHTLINER(フレートライナー)で参戦。唯一のボンネットキャブ型ヘッドでタイトル奪還に挑み、スペイン出身の大ベテラン、アントニオ・アルバセテも、2005~2006年、そして2010年のタイトルホルダーとして引き続きT Sport Bernau(Tスポーツ・ベルナウ)に残留してシリーズを戦う。