改訂版カレンダーの発表を経て、開幕の日を迎えた2021年のTCRスカンジナビアこと、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権は、2度のチャンピオン獲得経験を持つPWRレーシングのロバート・ダールグレン(クプラ・レオン・コンペティションTCR)が、僚友ミカエラ-アーリン・コチュリンスキー(クプラ・レオン・コンペティションTCR)を従えてワン・ツー・フィニッシュを達成。続くレース2も制したダールグレンは、新シーズンでの3冠獲得に向け連勝発進を決めている。
そして週末の最終レース3では、昨季までホンダ・レーシング・スウェーデンby MA:GPの名称でシリーズを戦ってきたマティアス・アンダーソンが、新たにスイッチしたリンク&コー03 TCRで欧州地域最初のカスタマーとしてSTCC初勝利を飾っている。
2020年当初から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応で、世界的な潮流とは異なる“集団免疫獲得”の初期施策を打ち出したスウェーデンだが、現時点で感染症の流行を効果的に抑え込んでいる状況でありつつも、全6戦へと復活したスケジュールは変更を強いられる事態となった。
5月開催予定だったクヌットストープに代わる新たな開幕戦には、かつて軍事飛行学校も併設された100年近い歴史を持つ、STCC初登場のトラックである全長2.1kmのユンビヘッド・パークが指名され、この6月4~5日にようやく開幕の日を迎えた。
開幕直前にはレストラップ・レーシングで王座防衛を表明していたロブ・ハフが、WTCR世界ツーリングカー・カップでのプログラム優先のため急遽シリーズを去ることが決まり、全13台の勝負となったプラクティスから、ダールグレンと宿敵ブリンク・モータースポーツのトビアス・ブリンク(アウディRS3 LMS)が最速を分け合う、下馬評通りの形で始まった。
しかし予選Q1、Q2では新生クプラ・ディーラー・チームとして参戦するダールグレンが底力を見せ、両セッションともにブリンクを抑えてポールポジションを確保してみせた。
日曜の午前11時前にスタートを迎えた2021年最初のレース1は、最前列のダールグレンが危なげなくホールショットを奪うと、その背後では3番手セカンドロウに着けていたシリーズ史上初の女性勝者、コチュリンスキーのクプラがアウディを仕留め、PWRレーシングがオープニングからワン・ツー体制を固めていく。