TCR規定を採用した電動ツーリングカー選手権『PURE ETCR(ピュアETCR)』の2021年初年度シーズンに挑むクプラ・レーシングは、4台目の『セアト・クプラe-Racer』のシートにダニエル・ナジーを起用するとアナウンス。イタリア・ヴァレルンガで開催される6月18~20日の開幕ラウンドには、ミケル・アズコナ、ジョルディ・ジェネ、そしてマティアス・エクストロームの強力ラインアップで挑むこととなった。
また『アルファロメオ・ジュリアETCR』の開発を担当し、実働部隊としてシリーズを戦うロメオ・フェラーリは、ステファノ・コレッティとルカ・フィリピに並び、ブラジルの新鋭ロドリゴ・バプティスタと、WEC世界耐久選手権で活躍するオリバー・ウェブの加入を発表している。
長年、TCRカテゴリーのフロントランナーとして活動し、WTCR世界ツーリングカー・カップ参戦経験も持つナジーは、2021年もTCRヨーロッパに参戦し、スペイン製の『クプラ・レオン・コンペティションTCR』をドライブして開幕戦表彰台を獲得している。
しかし第2戦のフランス・ポールリカールを前にスポンサー契約の問題が発生し、参戦を急きょキャンセルする厳しい事態に置かれていた。
WTCRと同様、この新生電動シリーズでもマニュファクチャラー・プログラムを統括するクプラ・レーシングは、そのナジーに白羽の矢を立てることで救済措置的な意味合いも込め、新生ピュアETCRシリーズに向け、4台のセアト・クプラe-Racerによるラインアップを完成させた。
一方、アルファロメオ陣営で3番目のドライバーに抜擢された24歳のブラジル人は、すでに参戦確定済みだったコレッティとフィリピ、そして最後の契約発表となったウェブとともに、新たな電動サルーンのステアリングを握ることが決まった。
「自分のキャリアのなかで、この新しい章を開くことができとてもうれしいよ」と語った、ポルシェGT3カップ・ブラジル元王者のバプティスタ。