6月19~20日、メキシコのプエブラで2020/2021年ABB FIAフォーミュラE世界選手権第8~9戦プエブラE-Prixがダブルヘッダーで開催され、第8戦はルーカス・ディ・グラッシ(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)、第9戦はエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)が優勝を飾っている。
今回の舞台となるのは、プエブラ市郊外に新設された『アウトドローモ・ミゲル Eアベドサーキット』だ。メキシコでのフォーミュラEは、昨年までF1も開催されているアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスサーキットで行われてきたが、今シーズンはコースが変更されての開催となった。
そんなプエブラE-Prixの第8戦の予選でポールポジションを獲得したのはパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ)となり、2番手には0.058秒差でオリバー・ローランド(ニッサン・e.ダムス)がつけ、3番手にはジェイク・デニス(BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)が続いた。
ドライコンディションで迎えた45分+1周の決勝レース。そのスタートでホールショットを奪ったのはポールポジションのウェーレインで、2番手スタートのローランドはスタートを失敗してしまい大きくポジションを下げる展開に。
変わって2番手に浮上してきたのは5番グリッドから順位を上げたマキシミリアン・ギュンター(BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)だ。このポジションアップにより3番手デニスとともにBMW勢が2-3につける。
各車順調な滑り出しかと思われたが、ニック・キャシディ(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)が1周目のターン8でクラッシュを喫してしまいコース上にストップ、早くもセーフティカーが導入された。
再スタート後はトップのウェーレインが、今回はコース外に設けられたアタックモード使用レーンの“アクティベートゾーン”に飛び込む。これによりBMW勢が一時的に1-2を形成するが、7周目に再びウェーレインがトップを奪還する。
レース残り18分、1周目にキャシディがクラッシュしたターン8でサム・バード(ジャガー・レーシング)が再びウォールの餌食になりクラッシュ、マシンを止めてしまったため2度目のセーフティカーが導入された。
再スタート後にポジションを上げてきたのは、ディ・グラッシとレネ・ラストがステアリングを握るアウディスポーツ・アプト・シェフラーの2台だ。両マシンはファイナルラップまでに2~3番手に浮上してくるが、トップのウェーレインまでは捉えきることができずフィニッシュへと向かう。
レースはスタートから首位を独走したウェーレインがトップチェッカーを受けポルシェの優勝、かと思われたが、フィニッシュした瞬間「チームがレース前に使用するタイヤセットを宣言していなかった」ことを理由に、ウェーレインおよびチームメイトのアンドレ・ロッテラー、そしてニッサン・e.ダムスの2台に失格裁定が下された。
この結果、優勝は2番手フィニッシュのディ・グラッシとなり、3番手でチェッカーを受けたラストとともにアウディスポーツ・アプト・シェフラーにワン・ツー・フィニッシュをもたらした。3位にはエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)が続いている。