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海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.06.28 13:04
更新日: 2021.06.28 13:05

レース1表彰台独占のリンク&コーに逆襲。ホンダのアッティラ・タッシが待望の初優勝/WTCR第2戦

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海外レース他 | レース1表彰台独占のリンク&コーに逆襲。ホンダのアッティラ・タッシが待望の初優勝/WTCR第2戦

 2021年のWTCR世界ツーリングカー・カップは、本来カレンダーに組み込まれていたスペイン・ヴィラレアル市街地の代替戦として、6月25~27日の週末にポルトガルはエストリル・サーキットでの第2戦が開催された。その初戦はリバースグリッドを活用した王者ヤン・エルラシェール(リンク&コー03 TCR/シアン・レーシング・リンク&コー)以下、イバン・ミューラー、サンティアゴ・ウルティアのリンク&コー03 TCRが、アクシデント満載の展開にも助けられ表彰台を独占。

 しかし、続くレース2は予選で最前列を確保したホンダ勢が主役を演じ、ほぼレース全域を支配したティアゴ・モンテイロ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE・ミュニッヒ・モータースポーツ)が開幕に続いて地元戦で勝利を飾るかに思われたが、まさかのトラブルで脱落。代わって僚友のアッティラ・タッシ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がトップチェッカーを引き継ぎ、待望のWTCR初優勝を飾っている。

 ドイツ・ニュルブルクリンクの開幕戦を経て、この第2戦に向けてはBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)の話題がパドックを賑わした。その発信源はリンク&コーのシアン・レーシング勢で、ノルドシュライフェの名物ロングストレート“ドッティンガー・ホーエ(Döttinger-Höhe)”でライバルの後塵を拝し続けたチームは、公然とBoPに対する不満を表明。リンク&コーの親会社である吉利汽車(ジーリー)グループは、11月開催予定の中国・寧波ラウンドのイベント後援を「辞退する」とまで表明し、シリーズ側に状況の是正を促す圧力を掛けた。

 そのBoPに関する公式アナウンスがないまま始まったポルトガルの週末は、公式練習から当のシアン・レーシング勢がタイムボードの上位に進出。ウルティアがFP1最速をマークすると、FP2では僚友のテッド・ビョーク(リンク&コー03 TCR/シアン・パフォーマンス・リンク&コー)を先頭に、リンク&コー03 TCRが1-2-3を占拠する躍進の結果となった。

 しかし予選でその勢いに“待った”をかけたのがホンダ勢で、モンテイロとのポール争いを制したエステバン・グエリエリ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE・ミュニッヒ・モータースポーツ)が最前列を確保。さらにその背後3番手にはネストール・ジロラミ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR/ALL-INKL.DE・ミュニッヒ・モータースポーツ)も続き、シビックがトップ3を独占する速さを見せつけた。

「めちゃくちゃ大きなオーバーステアが出てアタックが台無しになるところだったが、最後のセクターで必死にリカバリーすることができた」と、WTCR初開催の元F1トラック、エストリルでポールポジション獲得のグエリエリ。

「最後のふたつのコーナーもアンダーが出たら“おしまい”ではあったけど攻撃的に行った。リスクを冒さなければポールはないと理解していたから、挑戦が報われてよかったよ」

 この予選で10番手となった59歳の鉄人、ガブリエル・タルキーニ(ヒュンダイ・エラントラN TCR/BRC・ヒュンダイN・ルクオイル・スクアドラ・コルセ)がレース1のリバースポールを獲得し、その背後にはエルラシェール、ミューラー、そしてウルティアの3台が並んでのスタートに。

 するとフロントロウ2番手に並んだディフェンディングチャンピオンは「最高速を考えれば、おそらくレースに勝つ唯一のチャンスはここだった」との言葉どおり、初代WTCR王者を仕留めて首位でターン1へ突入していく。

「最高速を考えれば、おそらくレースに勝つ唯一のチャンスはここだった」と、R1リバースグリッド2番手発進の王者ヤン・エルラシェール(Lynk&Co 03 TCR/Cyan Racing Lynk&Co)
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ガブリエル・タルキーニ(ヒュンダイ・エラントラN TCR/BRC Hyundai N Lukoil Squadra Corse)は、R1中盤で右フロントタイヤがバースト
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苦戦の続く2代目アウディRS3 LMSは、R1でジル・マグナス(Comtoyou Team Audi Sport)の9位が最上位に
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「トラックのいたるところに少し破片があったから、それに対処する必要もあった」とR1勝者のエルラシェール
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