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海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.07.20 14:42
更新日: 2021.07.20 14:43

“名門ペンスキーのエース”ニューガーデンがようやく掴んだ初勝利。残り6戦、インディカー王者争いの行方は?

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海外レース他 | “名門ペンスキーのエース”ニューガーデンがようやく掴んだ初勝利。残り6戦、インディカー王者争いの行方は?

 ウィル・パワー、シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデン、そしてスコット・マクラフランの4人をフルシーズンで走らせているチーム・ペンスキーだが、今年は1勝目を挙げるまでに11レースを要した。

 チームにその勝利をもたらしたのがニューガーデンだ。ランキングトップ5にいた唯一のアメリカ人ドライバーが独立記念日に優勝。しかも、チーム・ペンスキーの初優勝からちょうど50年目の週末とい最高のタイミングで待望の勝利は実現された。

アメリカ独立記念日に勝利を挙げたジョセフ・ニューガーデン
アメリカ独立記念日に勝利を挙げたジョセフ・ニューガーデン

 ニューガーデンは1990年の12月22日にテネシー州ナッシュビルに生まれた。インディカードライバーとしては珍しい南部出身ということだ。183cmの長身で体重は80kg。結婚もしており、プロポーズしたのは日本での旅行中だった。

 13歳でレーシングカートを始め、入門用フォーミュラでの活躍が認められてイギリスのフォーミュラフォードフェスティバルに参戦。2009年にはイギリスのフォーミュラ・フォードで戦い、GP3にも出場。

 F1路線を進んでいたが、それは2010年までで、2011年にはアメリカに戻り、インディ・ライツに参戦。デビュー年にチャンピオンとなって(アロウ・マクラーレンSPの前身であるサム・シュミット・モータースポーツからの参戦)、2012年にサラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング(SFHR)からインディカーにデビューした。

 ニューガーデンはこの10年弱で19勝を挙げ、14回のポールポジションを獲得してきている。現在30歳。史上最強チームからの出場で順風満帆に見えるが、インディカー・デビューが小さなチームからだったため、3シーズンを戦っても勝利もポールポジションもなく、キャリアが終わってしまいそうな危機に瀕していた。

 それが2015年、SFHRとエド・カーペンター・レーシングが合併してCFHレーシングになり、強化された体制下でニューガーデンが力を発揮。2勝を挙げ、キャリア初のポールポジションも記録し、翌2016年にはアイオワで他を圧倒しての大勝利。この勝ちっぷりが認められたのか、ロジャー・ペンスキーから声がかかり、2017年からのチーム・ペンスキー入りとなった。

2015年のアラバマで初優勝を挙げたニューガーデン
2015年のアラバマで初優勝を挙げたニューガーデン

 ニューガーデンはペンスキーの期待に応え、チーム入り初年度にタイトルを獲得してみせた。残り6戦となった時点で、ニューガーデンのポイントスタンディングは5番手だった。彼より上位にはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)という、錚々たる強豪たちが並んでいた。

 しかし、ニューガーデンは気遅れなど一切見せず、トロント、ミド・オハイオで連勝してポイントランキングのトップに躍り出ると、ポコノで2位になった後、ゲートウェイで優勝。4戦して3勝と2位1回という驚異的な快進撃を見せた。

 ワトキンググレンでは18位と振るわなかったニューガーデンだったが、最終戦ソノマでは優勝争いに加わり、2位でフィニッシュ。先輩チームメイトのパジェノーは最終戦で優勝したが、その彼に13点差をつけてニューガーデンが初タイトルを獲得してみせたのだった。

チャンピオン獲得を喜ぶニューガーデン
チャンピオン獲得を喜ぶニューガーデン

 2018年のニューガーデンは3勝、4ポールポジションで連覇はならず、ランキングも5位と不本意なものに終わった。しかし、2019年には4勝、2PPで二度目のチャンピオンに輝いた。

 2020年は4勝、3PPでシリーズランク2位。ニューガーデンはチーム・ペンスキーに入って以来、2年目の2018年にパワーがポイント3位、ニューガーデンがポイント5位になった時を除いて、チームメイトたちより年間ランキングで上位につけてきている。

 彼より先にチャンピオンになったパワーとパジェノーだが、彼らのタイトル獲得が一度ずつなのに対して、後発ながらニューガーデンはすでに二度栄冠を手にしている。

 あとは彼らが達成しているインディ500での勝利さえ記録できれば、完璧なキャリアができあがるわけだが、チャンピオン争いという点でみれば、すでにニューガーデンがチーム・ペンスキーのエースとなって久しい。そう言って間違いない。

 ニューガーデンのインディ500でのベストリザルトは2016年の3位で、2019年には4位、2020年には5位になっている。彼が世界最大のレースで優勝する日が訪れるのはそう遠くはなさそうだで、これからさらに10年ほども彼がチーム・ペンスキー、そしてインディカーシリーズのエースとして君臨し続ける可能性がある。

■チャンピオン獲得にはシーズン3勝目が必須


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