8月14~15日、ドイツ・ベルリンで2020/2021年ABB FIAフォーミュラE世界選手権の最終戦となる第14~15戦ベルリンE-Prixがダブルヘッダーで開催され、第14戦をルーカス・ディ・グラッシ(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)が制し、第15戦ではノーマン・ナトー(ロキット・ベンチュリ・レーシング)がフォーミュラE初優勝を飾った。
いまだに世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、今季の開催スケジュールが大幅に変更されてしまったフォーミュラEがいよいよシーズンのフィナーレを迎えた。舞台となるのはドイツ・ベルリンのテンペルホーフ空港跡地に設営された特設サーキットだ。
14日に行われた第14戦の予選で速さを見せたのはディフェンディングチャンピオンチームであるDSテチーターの2台で、ジャン-エリック・ベルニュがポールポジションを獲得すると、チームメイトのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタも2番手に続いてフロントロウを独占した。
45分+1周で争われる決勝レースのスタートでは、ポールシッターのベルニュと2番グリッドのダ・コスタが好スタートを切りレースをリードする展開になるが、その後方では3番手スタートのディ・グラッシがDSテチーターの2台にプレッシャーを掛け続ける。
8周目、サム・バード(ジャガー・レーシング)のマシンが技術的問題によってコース上にストップしてしまったためセーフティカーが導入され、マシン回収後、残り30分弱でレースが再開される。
トップ争いはDSテチーターの2台が順位を入れ替え、チャンピオンシップで上位につけるベルニュがダ・コスタを追い抜いてトップに立ったが、その後に3番手ディ・グラッシがベルニュをかわして2番手に浮上すると、残り20分というところで首位ダ・コスタもオーバーテイクしてディ・グラッシが先頭に立つ。
そのディ・グラッシに続いたのはエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)で、同じくペースの上がらないDSテチーター勢をかわして2番手に浮上すると、その勢いのままディ・グラッシもオーバーテイクしてトップに躍り出る。
しかし27周目、アタックモードを使用したディ・グラッシはモルタラをターン1でオーバーテイクし再びレースをリードする。抜かれたモルタラも食らいついていくが追い抜くまでには至らず、0.141秒差でディ・グラッシが優勝を飾り、今シーズンでフォーミュラE活動を終了するアウディに有終の美をもたらした。