8月28~29日の週末にイギリス屈指の高速トラック、スラクストンで開催された2021年BTCCイギリス・ツーリングカー選手権第6戦は、公式練習から速さを発揮したFK8型ホンダ・シビック・タイプR勢が躍進をみせた。レース1では過去4シーズンで6度開催されているこのトラックで、通算7勝目を達成したジョシュ・クック(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/BTCレーシング)が、新たな“スラクストン・マイスター”を襲名。
続くレース2は、そのシビックを逆転したディフェンディングチャンピオンのアシュリー・サットン(インフィニティQ50BTCC/レーザーツール・レーシング)が制し、今季4勝目をマークして選手権リードをさらに拡大する結果に。そして事件満載だった週末最終のレース3は、アダム・モーガン(BMW330i M-Sport/カーグッズ・ウィズ・シシリー・モータースポーツ)が第3戦以来、2度目の勝利を飾っている。
クック自身の最速で幕を明けた週末最初のフリープラクティス1回目(FP1)に続き、FP2は今季BTCC復帰を果たした3冠王者ゴードン・シェドン(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/チーム・ダイナミクス)がトップタイム、さらに予選ではその僚友ダニエル・ロウボトム(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/チーム・ダイナミクス)が今季2度目のポールポジションを獲得するなど、超高速トラックとFK8シビックの相性が際立つ結果となった。
オープニングこそポールシッターのロウボトムがホールショット決めたレース1だったが、2列目3番手にいたクックと、FRのトラクションを活かして5番手から上がってきた“古豪”ウエスト・サリー・レーシング(WSR)のトム・オリファント(BMW330i M-Sport)が、すぐさま2番手のジェイク・ヒル(フォード・フォーカスST/MBモータースポーツ・アクセラレーテッド・バイ・ブルースクエア)を飲み込むと、勢いそのままに先頭ロウボトムを攻略したBTCホンダのクックが首位に浮上する。
BMWにも先行されたヒルだったが、こちらもすぐにポジションを奪還すると、クック、ヒル、オリファントの3台は序盤に得たポジションを守り16周のチェッカー。「一度もガスペダルから足を離せないと覚悟を決めていた」と語ったクックが、2018年から続く『スラクストン常勝』の記録を継続する今季3勝目を手にしている。
その新マイスターを先頭に開始されたレース2は、前戦5位だった現ポイントリーダーが逆襲を見せ、序盤からサイド・バイ・サイドの勝負を演じていたフォードのヒルとロリー・ブッチャー(トヨタ・カローラGR Sport/TOYOTA GAZOO Racing UK)を手玉に取り、同一周回で2台を攻略して早くも3番手に浮上する。