レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

海外レース他 ニュース

投稿日: 2021.12.13 16:37
更新日: 2021.12.13 16:39

DTM/DTMトロフィーともに2022年からAVLによる性能調整を採用。仮想シミュレーションで計算

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


海外レース他 | DTM/DTMトロフィーともに2022年からAVLによる性能調整を採用。仮想シミュレーションで計算

 DTMドイツ・ツーリングカー選手権は、2022年からグローバルな自動車サービスプロバイダのAVLが、トップカテゴリーであるGT3カーによるDTM、GT4カーで争われるDTMトロフィーについて、両カテゴリーのバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)を決定し、AVLとITR e.Vが排他的パートナーシップ契約を結んだと発表した。

 自動車サービスを提供するエンジニアリング会社のAVLは、オーストリアのグラーツに本拠を置く。そのモータースポーツ部門であるAVLレーシングは、2021年からDTMにおいて参戦する7ブランド(アウディ、BMW、メルセデスAMG、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレン、ポルシェ)の競争レベルを揃えており、2022年はDTM、DTMトロフィーともにシリーズの性能調整を担う。

 最終的に2021年のDTMでは、最終戦まで最大4ブランドがタイトル争いを繰り広げることになった。「AVLとのコラボレーションは我々をすぐに納得させるものだった。結果はもちろん、オープンで透明性が高いコミュニケーションがとられ、自動車メーカーだけでなくチームやドライバーからも高く評価されている」と言うのは、ITRのコンペティション/テクノロジーディレクターのミハエル・レスル。

「DTM固有の性能調整の方法は、自動車、車両工学の大規模なデータベースを参考にした仮想シミュレーションに基づいており、1名のテストドライバーに因らないものだ。非常に高い信頼性が証明されており、DTMの重要な特徴のひとつとなっている」

「DTMトロフィーでも同様にこの仮想メソッドを選択する理由で、結果的に相乗効果で恩恵を受けている」

 このDTM独自のBoPは、まずフロントエンジン、ミッドシップ、リヤエンジンなどの車両コンセプト、ターボエンジンか自然吸気か、さらに気筒数が考慮され、車両重量の調整、吸気制限、ブースト圧でエンジン出力をコントロールすることで達成された。

 AVLはこの性能調整の計算にあたり、『VSM(バーチャル・シミュレーション・モデル)・レース』というソフトウェアが使用された。AVLのエンジニアは、最小の時間で最大10万周をシミュレートし、その過程でサーキット固有の温度と気圧を考慮したBoPが作られる。

「我々の新しいレースディレクターのスコット・エルキンスがDTM、DTMトロフィーと両シリーズを担当するように、AVLが両シリーズの車両バランスを担当することになる。その結果、DTM、DTMトロフィーとも同様のクオリティを実現できる」とITRのイベント/オペレーションディレクターのフレデリック・エルスナーは語った。

2021年のDTMトロフィーニュルブルクリンク戦の様子
2021年のDTMトロフィーニュルブルクリンク戦の様子
AVLのVSM RACEイメージ図
AVLのVSM RACEイメージ図


関連のニュース