2月7日、デロイトトーマツグループのデロイトトーマツコンサルティング合同会社は、NTTインディカー・シリーズにデイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシングから参戦する佐藤琢磨と2022年シーズンのテクニカルパートナーシップ契約を結んだことを発表した。
インディカー参戦13年目を迎える佐藤琢磨。2022年シーズンはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからデイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシングに移籍し、シリーズチャンピオン、そしてインディ500での3勝目を目指して参戦する。
その佐藤琢磨を2022年からデロイトトーマツコンサルティングが技術サポートをすることが7日に発表された。
デロイトトーマツコンサルティングは、世界規模の会計事務所であるデロイトトウシュトーマツの主要メンバー企業で、経営戦略やM＆Aなど多岐に渡る専門サービスを提供するコンサルティング会社だ。
スポーツビジネスにも力を入れており、サッカーやバスケ、BMXレースなどを支援。テクニカルパートナーシップ契約は、アスリート支援、スポーツビジネス支援の領域で有するデータアナリティクスの知見・アセットを活用したテクニカルサポートを提供するほか、デロイト トーマツ グループが取り組むスポーツビジネスにおけるデジタル活用及び脳データ研究、次世代アスリート育成、観戦体験向上やグリーントランスフォーメーションの分野での協業も検討していく。
インディカーにおいて、レースデータ、車両・エンジンデータ、ドライバーのフィジカルデータに係る各種走行データをデジタルテクノロジーを活用して統合的に分析し、マシンセッティング、マシン開発などの側面でサポート。
また、データ分析の結果をさらに高度化・深化することでコネクテッドサービスや自動運転技術などモビリティサービスへの応用、あるいは新たな観戦体験への応用を目指している。
パートナーシップ契約にデロイトトーマツコンサルティングの佐瀬真人代表は、「今回パートナーシップ契約に至ったのは、佐藤さんはグローバルで活躍するプロフェッショナルとして非常にリスペクトしております。我々もビジネスという世界でグローバルに戦っているプロフェッショナル集団であり、世界で戦う仲間として一緒に活動したいとお声がけをさせていただきました」
「佐藤さんと会話をしていると、“限界を作らない”、“視野を広く、高く持て”というプロフェッショナルが持たないといけない共通の考え方がお互いにあると感じました。テクニカルパートナーシップとして、我々が佐藤さんの勝利をサポートすることで、日本No.1のレーサーとして世界に轟く活躍をして頂きたいですし、我々のコンサルティングにもメリットがあると考えております。佐藤さんと共に“グローバルで勝つ”が今回のキーワードです」と説明する。
オンラインで記者会見に登場した佐藤琢磨は「テクニカルパートナーシップの実現、とても嬉しく思っています。デロイトさんのデジタルテクノロジーを活用した競技支援を期待しています」
「モータースポーツは人間の限界に挑むスポーツであると同時にテクノロジーの競争です。レース中は、テレメトリーを通じてマシンから膨大なデータがピットへリアルタイムに送られてきます。それをエンジニアがリアルタイムに処理し、マシンの状態を管理し、レースの戦略に役立てる」
「レース後には、より高いとんでもない量のデータが入り、それを活用していくことが速さに繋がり、勝利へと導くカギになると思っております。ビジネスの場でデータを活用しているデロイトさんの知見を活かして、今シーズンの更なる勝利に繋げていければいいなと期待してます」と語っている。
またレース以外でのデロイトトーマツとの活動も期待しているようだ。
「レースパフォーマンス以外でも、社会還元に関して参加できることも嬉しくあり楽しみにしています。次世代アスリートの育成を目的としたデジタル技術の活用や脳研究にもとても興味があります」
「世界を目指す子供たちの夢を応援したいという思いはあり、そういう活動もこれまでしてきていますが、個人での活動は限界がありますので、デロイトトーマツと活動の幅を広げていきたい」
「次の世代がよりモータースポーツに親しみを持っていただけるような環境を検討していく地域創生への取り組みも個人ではできないので、デロイトさんの力を借りたいと思っています」
「また、サスティナビリティへの連携への貢献も期待しています」と琢磨。
2022年のNTTインディカー・シリーズは、2月27日にセント・ピーターズバーグで開幕を迎えるが、デロイトトーマツは状況を見ながら3～5名をレース現場に派遣し琢磨のサポートをする予定だ。また第10戦トロントでは、デロイトがメインスポンサーのスペシャルカラーリングで参戦する。
新たなパートナーを得た佐藤琢磨。インディカー13年目はどんな活躍を見せてくれるだろうか。
