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海外レース他 ニュース

投稿日: 2022.02.28 14:59
更新日: 2022.02.28 15:00

22番手から10位にジャンプアップを見せた佐藤琢磨「今日はスタートからかなり攻めていった」

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海外レース他 | 22番手から10位にジャンプアップを見せた佐藤琢磨「今日はスタートからかなり攻めていった」

 インディカー13年目のシーズンを新チーム、デイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシングに移籍して臨むことになった佐藤琢磨。そしてその初戦がなんと自身のインディカー参戦200戦目という節目のレースとなったセント・ピーターズバーグ。ベテランの琢磨がどんなレースを見せるのか必然と注目は集まった。

 セント・ピーターズバーグに来るまでのテストは1日のみ。

「不安半分、期待半分だった」というテストはまずは無事に終わり、課題を残しながらもチームとともに開幕戦を迎えることになった。

 金曜日にFP1が45分、土曜日にFP2の45分と予選をやり、日曜日に45分のウォームアップ走行を終えたら、もうレースを迎えてしまう。コロナ禍以降スケジュールの短縮化が顕著であったが、今年もその傾向は続く。

 しかしサーキットの場内は金曜日から観客であふれて、観客は3日間で20万人を越えた。しかもマスクで顔を覆うファンの姿はほとんどない。

 金曜日のプラクティスは18番手というタイムに収まった琢磨だったが、落ち込んでいる様子はない。むしろ笑顔もこぼれるほどだ。

「出だしはスローかもしれないけど、まずは順調にいきました。クルマは安定志向なんだけど、どこまでアグレッシブにできるかですね……」

 1周が1分あまりのセント・ピーターズバーグでは、各マシンの差は僅差。0.1秒の差がグリッドに大きく影響する。

 ドラマが起きたのは土曜日だった。午前のプラクティス走行の途中でジャック・ハーベイがクラッシュし赤旗の後、セッションが再開。その直後に琢磨の背後からスピード上げて来たロマン・グロージャンが追突! 琢磨のマシンはサスペンションやアンダーフロアが壊れ、その場でセッション終了。再度赤旗となった。

 さすがの琢磨もこの時は「彼が何を考えていたのかわからない」と辛辣なコメント。もっと大きかったのは走行時間を失い、レッドタイヤを履いて走行できなかったことだ。

 案の定、午後の予選で琢磨は苦しむ事になる。グループ2で予選に臨んだ琢磨は、ブラックではトップ6に入っていたものの、レッドに履き替えてコースに出ると、アタックラップでジミー・ジョンソンに引っ掛かり、タイムを出すことが出来ずにグループ11番手に沈んだ。

 総合では22番手のグリッドに「やはりプラクティスでレッドを履けなかったのが大きかったですね。内圧の設定とか手探りのままだったし」と浮かない表情だった。

 昨年レイホール・レターマン・ラニガンでレースしていた時は、決勝当日のウォームアップで息を吹き返すようなことがあったが、今年はどうだろうと興味が湧いた。

 朝のウォームアップで琢磨が出したタイムは10番手。ペースは良いようだ。

「昨日からセッティングは変えていますけど、良い動きになりました。もし予選が4番手、5番手で優勝を狙えそうな時だったら、もっと攻めたセッティングにしていくかもしれないけど、今はステビリティがあるレースで良いペース走れるクルマが先決」

「実際に今もトップ10だし、このスピードがあればレース展開次第だけどトップ10まではいけるクルマだと思う」と琢磨。

 短い時間でマシンのツボを抑え、レースで戦うスピードまで仕上げて来たのはベテラン琢磨の真骨頂というところだろうか。

インディカー200戦目を戦う佐藤琢磨
インディカー200戦目を戦う佐藤琢磨

■決勝は琢磨らしいレース展開に


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