2022年のETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップに向け、フィンランド出身でアイスレーシング界で活躍する女性ドライバー、エマ・マキネンの参戦が決定。強豪チーム・シュバーベントラックに加入してIVECO(イベコ)の28号車をドライブし、7月の第4戦ドイツ・ニュルブルクリンクでのデビューを予定している。
そのドイツに拠点を置く地元チームは、2020年から新型『IVECO S-WAY Racing trucks(イベコS-WAYレーシングトラック)』を投入。シリーズを代表するばかりか「FIA格式選手権で最も成功を収めたドライバーのひとり」と称されるステファニー“シュティフィ”ハルムを擁し、ランキング6位を獲得した。
そのチーム・シュバーベントラックは、2022年の地元戦において「クルーメンバー全員が女性で構成される“オール・フィメール・チーム”で参戦する」ことを表明。ハルムと並び、マキネンがイベコのトレーラーヘッドを操縦する。
チームによれば、マキネンの起用によりモータースポーツにおける女性の存在感を高めるとともに、より多くの女性をレースのすべての分野に引き込むのに役立つだけでなく、若手ドライバーへの「あらゆるルートからの、ステップアップ方法を示すことにも繋げたい」との期待が込められた。
「モータースポーツでは、女性がまだ過小評価されていることを知っている。我々の目標は、これが好転してますます正常になることだ」と語るのは、チームのコーディネーターを務めるウィリー・シュミッド。
「従来から取り組んできたことではあるが、チーム・シュバーベントラックと(帝王ヨッヘン・ハーンが運営する)ハーン・レーシングでは、普段の日常生活とおなじように、女性と男性がおなじチームでともに働き、それぞれの担当職と責任範囲を持っているんだ」
そんなシュミットにとって、ゲストドライバーを登録することは「若い才能を育成するための重要なポイント」でもあるという。
「トラックレーシングの未来を積極的に確保したいのであれば、若い才能の成長を促進し、彼らのためのスペースを作り、彼らにスポーツを知ってもらい、それを試す機会を与える必要があるはずだ」