2年間のイレギュラー開催を経て、実質3年目を迎えた2022年TCRオーストラリア・シリーズの第2戦が、3月19~20日の週末にフィリップアイランドで開催され、開幕に続きメルボルン・パフォーマンス・センター(MPC)のエース、ジェイ・ハンソン(アウディRS3 LMS)がレース1を制覇。続くレース2では、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ参戦経験者のファビアン・クルサード(スタン・スポーツ・ウォール・レーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がシリーズ初優勝を飾ると、最終ヒートでは初代チャンピオンで現RSCレギュラーのウィル・ブラウン(MPC/アウディRS3 LMS)を降し、参戦わずか2戦目で貫禄の連勝劇を飾っている。
今季開幕戦のシモンズプレインでTCRデビューを果たしたクルサードは、長きにわたって活躍したRSCでスコット・マクラフラン(現在はチーム・ペンスキーから北米インディカー・シリーズに参戦し、今季開幕戦で初勝利)の僚友を務めてきた。しかし2021年に所属していたチームの運営権譲渡などマネジメント関係の都合もあり、2021年シーズン限りでRSCのレギュラーシートを喪失する状況となっていた。
そんな境遇を経て心機一転。2022年に向け新たにウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドの耐久カップ登録ドライバーの待遇を手にしたクルサードは、同時に創設3年目を迎えたTCRシリーズへの挑戦も決意。初参戦となったシモンズプレインに続き、このフィリップアイランドでもホンダ車をドライブすることとなった。
「ホンダ・シビックのステアリングを握る2度目のチャンスを得たのは素晴らしいことだ。開幕のシモンズプレインは、確かに僕にとって“火の洗礼”だったからね」と、最上位11位に終わったTCRデビューウイークを振り返ったクルサード。
「前輪駆動のレーシングカーで初めて体験するレースだったから、頭を動かして考えることが数多くあった。それでも、個人的にはかなり早く適応したと感じている。いくつかの“グレムリン(機械に悪さをして故障させる、の意)”が、僕らを引き留めたけど、スピードはトップクラスだったはずさ」と続けたクルサード。
「ホンダは過去にフィリップアイランドで本当に強いことが証明されているし、チームは大量のデータを持っている。ほとんどのドライバーが言うように、オーストラリアで最高のレーストラックのひとつであるフィリップアイランドで、ホンダがどのように走るかを楽しみにしている」