4月15~17日に“聖地”バサーストで開催された2022年TCRオーストラリア・シリーズ第3戦は、名門ギャリー・ロジャース・モータースポーツから参戦するアーロン・キャメロン(プジョー・スポール・GRMチーム・バルボリン/プジョー308 TCR)が、オープニングと最終ヒートを制してマウントパノラマ2勝を獲得。今季デビューの新鋭ベイリー・スウィーニー(HMOカスタマーレーシング/ヒョンデ[旧ヒュンダイ]i30 N TCR)も、レース2でシリーズ初優勝を挙げている。
先月の第2戦フィリップアイランドでは、長年RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップで活躍したファビアン・クルサード(スタン・スポーツ・ウォール・レーシング/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がTCR初優勝からの連勝を飾り、この第3戦に向け参戦契約の延長に合意していた。
しかし本人は同イベント直前にCOVID-19の検査で陽性となり、チームは急遽の代役起用に奔走。結果、現役RSCドライバーのティム・スレイドがシビック・タイプRを引き継ぐこととなった。
また開幕2戦を欠場していたルーク・キングも、このラウンドからのシリーズ復帰を表明し、新たにダッシュスポーツのヒョンデi30 N TCRをドライブすることをアナウンスした。
そうしたレース直前の変更劇はドライバーだけに留まらず、週末最初のプラクティス1では開幕戦、第2戦ともに予選ポールポジションから2戦連続オープニングヒートのポール・トゥ・ウインを決めていたジェイ・ハンソン(AWC MPCレーシング/アウディRS3 LMS)が、ウォームアップラップ中に“The Cutting”への進入でクラッシュ。
このアクシデントで彼の第2世代アウディは大破し、週末はメルボルン・パフォーマンス・センター(MPC)の持つスペアカー、初代RS3 LMSに切り替える事態となった。
「まさにアウトラップの1周目だった。まだタイヤの温度が上がってきている段階でレフトハンダーのターン3に差し掛かると、完全にリヤのコントロールを失ったんだ」と、状況を説明した今季2勝のハンソン。
「あの場所でそんな事態が起きたら、あとはどうなるか分かるだろう? できるだけ多くの周回を重ね、新車を習得しようとしていたから本当に残念だ。ダメージは確実に修復可能だと思うが、しばらく時間が掛かるだろう」と続けるハンソン。
「MPCで一生懸命に働いているメンバーには申し訳ないが、僕は恵まれていた。旧世代とはいえ、同じ週末に利用可能なスペアカーを持っているチームは、そう多くはないからね」